２２話 ページ22
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また成長して１２歳。
最近身体が痛く、ダダン達に聞くに成長痛らしい。
時々訪れるガープのジジイとの対戦時間も徐々に伸びつつあるが、やはり負けるの繰り返し。
食らいついても食らいついてもジジイの体力は底無しで。
でっけェムカデを相手したこともあったし、熊鍋をしたこともある。町のチンピラにはもう負けねェ
だから、あとは、あとは！！！
「ぐっ……」
「頑張れエース！」
「まーまー、あとちょっとだ」
「頑張れー！」
「てめェらうるせェんだよ！！」
プルプル震える握り拳。少し離れた場所のキッチンで晩飯の追加料理を作るアイツ。こちらに気付いていないのか、熱心に火加減を見ている
ルフィ達は肉へ伸ばす手を止めて、固唾を飲んでこちらを見守っている
話しかけるんだ、海に出る前に、アイツと気兼ねなく話す関係性になるんだ。そしたら、そしたらサボの思いも少しは報われるはずなんだと。
「ぁ、お、おい！」
「……」
「おい、聞いてんのか！！？」
「！……？」
私？と言いたげに自分を指差すアイツ。キョトンとした顔にグッとまた変な感覚になって言葉を飲み込む。火を止めて身体をこちらに向けて、俺の言葉を待つアイツにまたグワッとした感覚がして脳が麻痺する
「……ぁ」
「？」
背中に刺さる頑張れといいたげなルフィや他の奴らの視線がウザくてたまらねェ。けど段々そんなことを気にする余裕が無くなってきた。
頭の前の方が熱を持ったようにぼんやりして来る。視界が回って、グルグルと気持ち悪い感覚。
訳が分からねェ。コイツといると、俺は変になる
得体の知れない感覚に腹が立ったけど、ようやく、ようやく一歩だ。俺はなけなしの理性で踏み止まって、口を開く
「…………ぉ、おかわり、くれよ」
空の皿を差し出して、絶対に目をそらすもんかと一種の意地になって言葉を絞り出す
後ろからの湧き上がる声に腹が立って怒鳴りたかったが、それも我慢した。プルプルと唇を噛み締めて、伝わらないのに早く返答しろと心臓がアイツを急かす。
いつも騒がしいこの家が、静まり返る
「ーーーーうん、いいよ」
初めて聞いた声
初めて俺に向けられた、歓喜の笑顔
脳が弾けて限界を超えた俺に、そこからの記憶はない。
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雅榴(プロフ) - 草団子さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！我ながら懐かしいなと思いつつ、未だコメントを頂ける喜びを噛み締めております。コメントありがとうございました！楽しんで頂けたなら幸いです。 (2022年2月7日 2時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
草団子 - 神作品とは、まさにこの作品の為にあると思いました。 (2022年2月6日 15時) (レス) @page39 id: c9f8dc2643 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - おいしいくじらさん» 楽しんで頂けたようで何よりです(笑)かなり前に終わったにも関わらず閲覧していただきありがとうございました。別作品も楽しんで頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！！ (2020年9月5日 1時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
おいしいくじら(プロフ) - あぁぁあぁあっ！！！好きです！！！！小さい頃のエースとの甘酸っぱいやり取りも、成長した2人の愛情もすごく好きですっっ！！ (2020年9月2日 7時) (レス) id: 6b76715b64 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - Mさん» 返信遅れてすみません！暖かいコメントありがとうございます、これからも好き勝手にしてはいますが、頑張りたいと思います。コメントありがとうございました！ (2020年2月13日 6時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年1月24日 18時
