１０話 ページ10
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なんとか泣き止み、私はそのまま日が昇るのを待たずに自分の船を出して彼らの元を去った。
引き止めるような声があった気がするが、何も言わず、目も合わせなかった
ホロホロと落ちる涙は止まらず、目と耳に焼き付けた情景が浮かぶ。彼らはあの瞬間、この世で一番自由な人達だった。
自由を、海を、生を、困難を、戦いを、宴を。
全てを謳歌して生きていた。
容易に手に入れられるものじゃない。
手を伸ばしても、私には届かない。彼らのような、勇気がない。
……いや、違うか。
「勇気を出すことを許される、環境が無い」
空に伸ばした手が引っ込む。触れてはいけない星を見上げ、目を閉じた
流れる涙は、そのままに。
一方。
唐突に現れた女、ヴェルヘイム・Aが唐突に泣き出し、そしてそのまま小舟に乗って去って行くのを見送った麦わらの一味は、相変わらず困惑に包まれていた
「なんで泣いたんだろ……」
「俺ら、なんかしたっけ？」
「俺の料理、まずかったか……？」
「それはもっと無いだろ」
ウソップとチョッパー、サンジが手すりに体を寄せて首を傾げる。全くの思い当たりがない。ウンウン唸る中、ルフィは黙って手すりの上にしゃがみ込み、彼女がいなくなった方角を見ている。ナミも首を傾げ、ゾロは思考を放棄。ロビンも黙っているばかりで思考は読めない
「……ビンクスの酒が、ダメだったのかなぁ」
「あの唄を嫌う奴がいたとはなぁ……」
「ま、人それぞれだ。あの唄を嫌う奴がいても不思議じゃない。あのレディとは関わる時間が短かったから、気付けなかったのかもな」
「悪りぃことしちゃったなー……」
そう結論付け、宴の片付けを始める男達。
「おいルフィ！お前も片付け手伝え！」
「……おう！」
サンジに怒鳴られ、ルフィはクルリと振り向いて手すりを降りる。ストンと甲板に足をつける頃には、いつもの笑顔が戻っていた。
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雅榴(プロフ) - マザーティラサウルスさん» 2年も前の作品を見て頂きありがとうございます！当時とても悩みながらやっていた記憶があるので、そう言って頂けると、とても嬉しいです。コメントありがとうございました！他作品でもお会い出来たら嬉しいです。 (2022年8月12日 15時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
マザーティラサウルス - 一気読みさせていただきました！とても面白く、そして切なくて感動してしまいました。この物語を生み出してくれてありがとうございます (2022年8月12日 12時) (レス) id: 8c175f049d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年1月11日 22時
