６話 ページ6
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私の上に影がさす。真上にはロープを構えたパウリーさん。どうやら近くの小さな橋から飛んできているらしく、ヤバイと思う前にパウリーさんの縄に縛られ、そのままヤガラの上から歩道の上に投げられた
「！パウリー！！」
「悪りぃな、A！」
「いたた……何するんですかぁ！」
強く打った尻が痛い。腕を上げて抗議するも、彼は聞いていない。そのまま追う借金取りを撒く為にヤガラを全速力で走らせ始めた
一連の流れを見ていたカクは顎に手を添え、ポツリと零す
「……ありゃ帰ってこんのぅ」
「あーもー！躾しててもほっといて良いわけじゃないんですけどぉ！？」
時々帰ってこないヤガラとかいるんだから！主に寄り道で！どれだけ叫んでも帰ってこないし、周りの住人からは和やかに見つめられるばかり
つかいつまで借金してんだあの人は！！
「こりゃやられたのぅ。朝から大変じゃな」
「……はぁ。帰るのも大変なのに……」
イラつきを噛み締めつつ、トボトボと帰路に着く。
背後から含み笑いが聴こえてイラっときたが、文句を言う前に屋根の上に乗ったのか、振り向いても誰もいなかった。そのまま上を見ると屋根の上でしゃがむカクさん
仕事場を見据えて、彼は飛んで行った
「……はぁ」
こういうとき、一般人は不便だ。
店に帰ると、パウリーさんが奪って行ったヤガラはちゃっかり帰ってきていた。朝の支度をこなしつつ、今後をどうするか思案する。
唐突に旅に出るのは流石に不自然だろう。
また旅に出たいと思うキッカケがいる。この街に海賊は来ても旅人は来ないし、良い海賊というのもなかなかいないから話を聞くタイミングも無い
……一度、休暇を取ってでかけるか。
この街をいったん離れて、戻ってくる。それを何度か繰り返そう。そうすれば旅に出たいと思っていると周りに思わせることが出来るはず。
時期と、休暇を取るタイミングをよく見計らおう
「準備できたかー！客が来たぞ！」
「はぁい！出来ましたー！」
じゃあ、今日にでも休暇をくださいって店主には伝えようっと。
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雅榴(プロフ) - マザーティラサウルスさん» 2年も前の作品を見て頂きありがとうございます！当時とても悩みながらやっていた記憶があるので、そう言って頂けると、とても嬉しいです。コメントありがとうございました！他作品でもお会い出来たら嬉しいです。 (2022年8月12日 15時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
マザーティラサウルス - 一気読みさせていただきました！とても面白く、そして切なくて感動してしまいました。この物語を生み出してくれてありがとうございます (2022年8月12日 12時) (レス) id: 8c175f049d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年1月11日 22時
