３８話 ページ38
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「あと２分？本当に？来なけりゃよかった」
「何をしていた」
「……ちょっと、ね。
避難所送りにされそうになった」
ピッ、と手を軽く振るAの手には、見慣れない血が指にまとわりついていた。その血のつき方は、ついさっき俺がルッチから受けた技を使った場合と酷似している。恐らく避難所に連れて行こうとした誰かを踏み台にして、アイツはここに来たんだ。
麦わら達もアイツを知っているのか、驚いて目を見開いている。疑問を叫ぶハレンチ女も意に返さず、談笑さえもするその気楽さに胃が煮え返る程に腹が立った
「おいA！！お前ーーーー」
「突然だがあと２分で、この屋敷は炎に包まれる事になっている」
「何だと！！？」
問いかけようとするも遮られる。Aを睨んでも、こちらを一瞥して終わる。興味すらもないといったその様子に、青筋が浮かぶ
「君達も焼け死にたくなければ、速やかに屋敷を出る事だ。まァ、もちろん……
それが、
ニコ・ロビンとルッチ、二人と俺達の間にカク、カリファ、ブルーノ、Aが並んで壁のように道を塞ぐ。越えられる気がしないその壁。
だが、アイスバーグさんに手を出された時点で、いくら顔馴染みでも怒りが収まらないのもまた事実。
しかし、そんな激情にも体が追いつかない。
膝を折ったまま、立つことすら困難だった
「ーーーじゃ、私は先に行くわ」
「ああ。役目は果たした。ご苦労」
「待て！！！ロビン！！！認めねェぞ！！！」
去ろうとするニコ・ロビンを追う麦わら。
駆け出すがブルーノが立ち塞がり、ブルーノの顔面に蹴りを入れるも効いた様子がない
「何でこいつら、こんなに体硬ェんだ！！？」
「鍛え上げられた我らの肉体は"鉄の甲殻"にまで、高度を高められるーーーしかし、受けるばかりが能じゃなく」
拳の数が百を超えるように見える麦わらの高速の攻撃を意に返さないブルーノは紙の如くヒラヒラとかわしている。あの図体のどこにそんな身軽さを隠しているのか、心底不思議だった
何がどうなっている。理解が追いつかない。
頭を回す中で変わる戦況に、混乱の渦は止まるところを知らなかった
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雅榴(プロフ) - マザーティラサウルスさん» 2年も前の作品を見て頂きありがとうございます！当時とても悩みながらやっていた記憶があるので、そう言って頂けると、とても嬉しいです。コメントありがとうございました！他作品でもお会い出来たら嬉しいです。 (2022年8月12日 15時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
マザーティラサウルス - 一気読みさせていただきました！とても面白く、そして切なくて感動してしまいました。この物語を生み出してくれてありがとうございます (2022年8月12日 12時) (レス) id: 8c175f049d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年1月11日 22時
