３７話 ページ37
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己の目を信じたくないとこんなに思ったのは、人生でこれが初めてだ。
伏せって血を流すアイスバーグさん。
扉を斬って現れたロロノア・ゾロ
目の前で壁をぶち破って立つ麦わら
アイスバーグさんを取り巻く、見慣れない格好をしたルッチ、カク、カリファ、ブルーノ。
なんでお前らがそこに、その格好で！！
アイスバーグさんは息も絶え絶えで、逃げなかった俺に恨めがましい目を向けるが、頭はこいつらへの理解で必死だった。嘘だと言って欲しかった。
何年も共に仕事をしてきた仲間だ。仲間だった。
いつも人の良い笑顔を浮かべていたカクは冷たい表情でこちらに視線を向け、カリファは今に限って露出の少ない服でいつものなんら変わらない様子。
ブルーノも何も変わらず、ルッチも同じだが、どいつもこいつも忌々しいくらいに普段の雰囲気がなかった。
いつもは良い勝負をする筈のルッチが数秒とかからず俺を伏せさせる。ありとあらゆる場所から血が垂れ流され、脳裏にはルッチとブルーノの店に飲みに行った記憶、カリファの服を注意してカクに咎められる記憶
連鎖的に、ブル貸し屋の店員のアイツを思い出した
そういえば、アイツもルッチ達と似たような時期に来たとボンヤリ思考する
「何で、お前らが……！！！」
思わず漏れた疑問に答える声はなく。
麦わらに庇われるも、麦わらでさえもルッチ相手に歯が立たず。目に見えない動きと、銃弾に匹敵する"指銃"に突かれて吹き飛ばされ、着実にダメージと疲労が溜まっている
「そういえば、アイツはまだか？」
「そうね、あの子にしては遅いわ」
「全く。何をしとるんじゃ……」
ぐらつく視界の端で、カクとカリファが会話しているのが微かに聞こえた。カリファが懐中時計を確認し、誰かを待っている。嫌な予感が心臓を刺した
ーーーードガァアアン！！！！
アイスバーグさんのベッドの置かれた壁側、ルッチ達の奥の方が破壊される。何か斬撃が飛来して来たのか、直線の瓦礫が部屋になだれ込む
「ようやく来たか」
心臓の音が耳を支配する
あぁ、頼むから、外れてくれ
奥歯を噛み締め、握る拳が震えた。
「……あと２分のところで来るなんて、取り越し苦労ね。
ーーーーA」
「あー……申し訳ない。色々と手間取った」
瓦礫の上に立つその女は、嫌という程見慣れた女だった。
なんでーーー
「なんでお前が、そこにいる！！！」
「……こりゃどーも。
さっきぶりですね、パウリーさん」
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雅榴(プロフ) - マザーティラサウルスさん» 2年も前の作品を見て頂きありがとうございます！当時とても悩みながらやっていた記憶があるので、そう言って頂けると、とても嬉しいです。コメントありがとうございました！他作品でもお会い出来たら嬉しいです。 (2022年8月12日 15時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
マザーティラサウルス - 一気読みさせていただきました！とても面白く、そして切なくて感動してしまいました。この物語を生み出してくれてありがとうございます (2022年8月12日 12時) (レス) id: 8c175f049d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年1月11日 22時
