４話 ページ4
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「まぁそう怒るなて、ルッチ」
「仮にも政府の人間だという自覚はあるのか」
「……ハイ」
「白昼堂々と海賊の唄を毎日、朝から。」
すいませんて。
ビキビキと音を立てるルッチの青筋に、引きつった笑みを返す。
ここはブルーノの酒場で、カウンター席で苦笑いの止めるのを諦めたカクに、コップを拭きながら黙ってこちらを見るブルーノ。仁王立ちでハットリに喋らせることなく自分で喋るほどにはブチ切れてるルッチに、正座させられてる私
ルッチは正義としての意識が強く、あの海賊の唄を最早忌み嫌っている。しかし私も何度言われてもなんども歌うので、こうなるのはよくあることだ。
「……あぁいうのした方が、馴染むのは早いかな、と」
「あの唄じゃなくてもいいだろう、バカヤロウ
選曲が最悪だ」
「めっちゃ嫌いじゃん……」
めんどくさいなぁ、もう。拗ね始めた私の心に従って、ムスッとしてみる。途端に青筋が増えたので即やめた。鬼が見える
「しかし急に変えるのはやめた方がいいじゃろうな。不自然に見える」
「……チッ」
「もー時期を見て曲変えるよーわかったよー」
「何か飲むか、A」
「飲む。アルコールはやめてね」
カウンターにべたりとうつ伏せになる。クツクツと笑うカクのスネにつま先をぶつけ、出された飲み物をチビチビ飲み始める。ルッチは細かいんだよ
「何かあったか？」
「……いや、特には。街の様子を見てても変わったことはないし、ここしばらく収穫なし」
「そうか」
年単位の潜入だから尻尾は早々出ないと思ってたけど、やっぱり手強いな。まぁ潜入なんてそんなもんか
「そうだね、あと……一年くらいしたら旅人に戻るよ。念の為、君達よりここに残ってる」
「そうしろ」
ルッチからの返答を最後に、飲み物を一気に飲み干して酒場を出て行った
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雅榴(プロフ) - マザーティラサウルスさん» 2年も前の作品を見て頂きありがとうございます！当時とても悩みながらやっていた記憶があるので、そう言って頂けると、とても嬉しいです。コメントありがとうございました！他作品でもお会い出来たら嬉しいです。 (2022年8月12日 15時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
マザーティラサウルス - 一気読みさせていただきました！とても面白く、そして切なくて感動してしまいました。この物語を生み出してくれてありがとうございます (2022年8月12日 12時) (レス) id: 8c175f049d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年1月11日 22時
