１５話 ページ15
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二度目の海、である。
嫌という程毎日見ているが、こうして出て見るとやはり変な気分だ。手を振る店主に手を振り返し、前を見据えて、彼らが今どこにいるのかを思案する
あいにく、あの時は無計画に進んでいたし、正直どの辺だったかはフワフワな記憶だ。おススメしたし、好感触だったからW7に来るのは十中八九間違いないだろう。
「……？ヤケに、寒い」
ここはこんなにも寒かっただろうか。
地図を確認しても、訪れる天候は精々春か夏のはず。しかし冷気のようなものが風に混ざって頬を撫でた。
それと同時に、いやに冷たい気配を感じた。
船にしてはあり得ない速度と、海の上にしては聞こえるはずのない微かな自転車のキイキイとした走行音。
……あー、まじかー……
見え始めたシルエットに、凭れさせていた背が微かにずり落ちた
「あらら、こんなところで一人？危ないよ、ここいらは海賊が良く現れる」
「……お気遣いありがとうございます！
でも大丈夫です、今住んでいる島はすぐ近くですし、護身用の銃もありますから」
ニコリと笑う。現れた男ーーー青キジは自転車を止め、少し広めに海面を凍らせると、そこを地面に降り立った
「なら早く帰りなさい。若い娘さんが一人でいるべきではないよ」
「うーん、そうしたいんですけど、用事が終わってなくて」
CP9で面識があるのは、恐らく代表として出向くことの多いルッチやカクくらいだろう。無害な娘を演じて、場を乗り切るしかないか
「どーしても帰らないのね……」
「その為に、お仕事も休暇取ってますから」
「お仕事、ねぇ……次のターゲットでも探してるの？」
「……はい？なんのお話ですか？」
「本部に近いこの海で、若い娘が一人で海にいるシーンなんて、見たことがない」
嗚呼 思いのほか、私は潜入には向いていないのかもしれない
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雅榴(プロフ) - マザーティラサウルスさん» 2年も前の作品を見て頂きありがとうございます！当時とても悩みながらやっていた記憶があるので、そう言って頂けると、とても嬉しいです。コメントありがとうございました！他作品でもお会い出来たら嬉しいです。 (2022年8月12日 15時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
マザーティラサウルス - 一気読みさせていただきました！とても面白く、そして切なくて感動してしまいました。この物語を生み出してくれてありがとうございます (2022年8月12日 12時) (レス) id: 8c175f049d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年1月11日 22時
