１４話 ページ14
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ほんの数日とはいえ、待っても麦わらの一味がこのW7に訪れる気配が無い。あの船があるのだから、一応なりとも海列車に乗る可能性は低い。まぁ、ここのことを知らない時点で海列車に乗る事はないだろう
「……迎えにいってみるか」
個人的興味もあるものの、しっかりここについてもらわなければ困る。大いに困る。
事前に彼らには報告済み(もう繰り返さないぞ)だし、店長に掛け合ってみようか
「誰を迎えに行くんだ？」
「わっ！っ、もー！パウリーさん、驚かせないでくださいよ……」
まぁ、流石に気付いてはいるけど。
少し怒った顔を見せれば、片手を上げて謝られた。
ふと、大量の人間の気配を感じて下の歩道を見れば大量の人。ハートを飛ばす女に怒りを見せる男
「……なんです？あれ」
「しらねぇよ」
「絶対嘘だ……」
見失った誰かを探してる時点で絶対パウリーさんだ。ちゃっかり後部座席に腰を下ろし、ヤガラの好きなようにさせている為、どんどん上へ登るヤガラに乗りながら大量の人を愉快そうに見下ろすパウリーさん
「その悪癖、治せばいいのに」
「うるせぇなぁ、そうやめらんねぇよ」
なんでこれが人気なんだ。
職業という肩書きが、彼をイケメンに見せるのだろうか。このW7で彼のギャンブル癖は周知の事実なのに。不思議な現実に首を傾げていると、パウリーさんが何かを催促してくる
「で？誰を迎えに行くんだよ」
「え？いやー……迎えに、というか、会いに？」
「お、なんだ、男か？」
興味津々のパウリーさん。性別は間違っちゃいないけど、決してそういうのではないと断言するとつまらなそうだ。失礼な
「なんだよ、あのAに春が来たのかと思って期待したのによ」
「春って……私はしばらくはヤガラを相手にしてますよ」
「婚期逃すぞ」
「結婚してから言ってください。」
大体その発言めちゃくちゃセクハラだからな！と不満気な目で肩越しにパウリーさんを睨む。
それに気付くと何を思ったか、少し荒く頭に手が載せられる
髪があるとはいえ、長く船を作ってきた男の手というのは重く、皮膚が硬い。その感触や出来事に唐突で少し驚いて、目を開く
「相手が見つからなかったら言え。
その時は貰ってやる」
「……パウリーさん」
「なんだ」
やけに優しいその目に、ジッと視線を返す。
目を逸らさずに、私は口を開いた
「借金返すの手伝って欲しいだけですよね？」
「バレたか」
「あんたって人は！！」
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雅榴(プロフ) - マザーティラサウルスさん» 2年も前の作品を見て頂きありがとうございます！当時とても悩みながらやっていた記憶があるので、そう言って頂けると、とても嬉しいです。コメントありがとうございました！他作品でもお会い出来たら嬉しいです。 (2022年8月12日 15時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
マザーティラサウルス - 一気読みさせていただきました！とても面白く、そして切なくて感動してしまいました。この物語を生み出してくれてありがとうございます (2022年8月12日 12時) (レス) id: 8c175f049d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年1月11日 22時
