１１話 ページ11
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結局、一週間のほとんどは海に浮いていた。
基本、W7から他の島に行くには海列車に乗るのが普通だし、距離や安全性を危惧しても海列車は圧倒的に安全かつ最短距離だ。つまり、そう近くに島は無いというわけで。
「なんだ、もう帰ってきたのか！？」
「あはは、ずっと海の上だったので退屈だなぁって」
「そりゃそうだ、だから海列車で行けと言ったのに」
呆れて笑う店主に頬を掻く。あともう一度でかけるつもりではあるが、麦わらの一味がいつこの街に訪れるか、分かったものではない。
……いや、偵察ついでに海に出るか。
「でもまた海に出てもいいですか？
あぁやって揺られるのも、たまにはいいかなと」
「あぁ、構わん構わん！
いつでも休暇を取れ！」
バシバシと背を叩かれ、ひきつる笑顔。
痛いとは思わないけど衝撃が鬱陶しい。
いつものようにヤガラの手入れをし、世話をこなして店主から言いつけられた買い物に出かける
腰のポーチを外して街に出ると、久々だなと多方向から声をかけられる
「どこ言ってたんだ？
一週間も唄が聞こえなくて本調子でなかったよ！」
「あはは、そりゃごめんなさい
ちょっと海に出てたんだよ」
軽く手を振り返して返事をする。
あらかたの買い物を終え、自分の余ったお金で何か本を買おうかと考えていると、左手にあった荷物の重みが消える
「持とう」
「あら、ありがとうございます。ブルーノさん」
買い物帰りなのか、彼もまた片方の手に荷物を持っている。ニコリと笑むと、小さく返してくれた
流れでそのまま一緒に歩く。ひっそりと本屋の選択肢を消した。
「一週間、どこに行っていた」
「海に。休暇をもらったので」
「そうか」
まぁ、それだろうなとは思う。
私が彼の立場なら怪しむはしなくとも、聞いておくべきだと私も判断するだろう。
まぁ、後々言うことは無いことはないけど。
「どうせなら、また今度聞いてくれませんか？
話したいことがたくさんあるんです！」
「……あぁ、もちろんだ」
目をうっすら細めたブルーノの察しの良さに笑みを深めた
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雅榴(プロフ) - マザーティラサウルスさん» 2年も前の作品を見て頂きありがとうございます！当時とても悩みながらやっていた記憶があるので、そう言って頂けると、とても嬉しいです。コメントありがとうございました！他作品でもお会い出来たら嬉しいです。 (2022年8月12日 15時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
マザーティラサウルス - 一気読みさせていただきました！とても面白く、そして切なくて感動してしまいました。この物語を生み出してくれてありがとうございます (2022年8月12日 12時) (レス) id: 8c175f049d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年1月11日 22時
