110話 ページ24
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宴の中心で何杯もお酒を飲んで、勝負して、楽しそう。
騒ぎを見ていた人達にいじりにいじられ、その度に怒りながらロビンの背後に隠れても、ロビンは助け舟を出してくれなかった。こんなところで、こんなときに言うつもりはなかったのに！
唇を突き出して不満をアピールしても意味はない。
収まらない顔の熱に、小人族の人達が氷を当ててくれたけれど、早まったままの心臓も腹の底の熱も冷めそうにない。
奥底にしまっていた想いを口にすることが、こんなにも勇気のいることだったなんて。あの日平然と告げてきたゾロくんが、私と同じような熱を蓄えているなんて到底思えない。
けれど交わった視線が、触れる指先が、私を隠してくれる背中が、待ち続けてくれた今までが、なによりも雄弁に語りかけてくる。
ほんの少し自惚れて、現状を享受することを許してくれる。
私でいいのか。これから現れるであろう運命の相手はいいのか。今でも考えてしまう。
それでも、ここまでされて拒絶するのは、女の風上にも置けないと思うのだ。
もし、もしいつか、拒絶されて、彼が正しく相応しい相手の手を取ることを選んだ日が来ても。私はそれを受け入れよう。
きっと、きっと笑って受け入れるから、今だけは。
「A」
愛おしいと語る目と共に呼んでくれる声に応えることを、許してほしい。
「なぁに、ゾロくん」
「……おれは言ったぞ」
宴も終わり、はしゃぎ切って一眠りし始める様子に苦笑しているとき、からかうような笑みと共に隣に座る。
一瞬何のことか分からずキョトン顔を晒し、すぐに理解した。
フッと自然に浮かんだ笑みと共に、背筋を伸ばす。
閉じかけた視界の中で驚いた顔をするゾロくんにまた一つ笑みが溢れて、瞼を閉じた。
早まる心臓も不快じゃない。いっそ快楽だ。
初めて私から贈ったキスの後、得も言われぬ満足感と幸福感のままに微笑んだ。
「好きだよ。大好き。今までもこれからも君だけが好き」
言った後に、やっぱり恥ずかしくて。無意識に眉を下げて、誤魔化すようなふにゃふにゃの笑みを浮かべる。自分でも大胆なことをした自覚はある。
こちらを凝視するゾロくんにだんだん耐え切れなくなってきて、無意識に両手で隠した顔を伏せる。多分、耳も頬も真っ赤だろうから意味はない。
ガシッと手首を掴まれた。
「ん？」
「_______抱く」
「エッッッ！！？！？」
逃げ切ったことだけは記しておく。
尚、完全にとはいかなかったけれど。
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雅榴(プロフ) - おマメマンさん» 見て頂けて嬉しいです。続編希望のお声に負けてしまいました(笑) 気長に待って頂くことにはなりますが、ご期待に添えるよう頑張りますので待って頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！ (2022年9月28日 12時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - などかライチさん» 見て頂けて嬉しいです。気長に待って頂くことにはなりますが、それでも良ければ楽しみにしていてくださると嬉しいです。コメントありがとうございました！ (2022年9月28日 12時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
おマメマン - あらすじ見ました！続編出て欲しいって思ってたので嬉しかったです！楽しみに待ってます＾＾ (2022年9月28日 11時) (レス) @page34 id: 2ab23a5ba3 (このIDを非表示/違反報告)
などかライチ - 続編とあらすじ見ましたよ。楽しみにしてます。応援します。 (2022年9月28日 11時) (レス) id: 486500e958 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - もえなっとうさん» お楽しみ頂けていたようで何よりです！続編も変わらず楽しんで頂けるよう頑張ります！コメントありがとうございました！ (2022年9月28日 9時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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