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2-4 ページ10

ドオオオオオンッ───…



少し遠くで爆発音が鳴り響いた。

それにぱちりと目を覚まして、Aは部屋を見渡す。

人の気配はなく2人がまだ帰っていないことが分かると、Aは血の気が引いた。



(まさか、今の…爆発音……って……!!?)



Aは寝巻きの上にコートを羽織って、裸足であることを気にもとめないで外に出た。

雪の冷たさにじんじんとする足で、Aは進んでいく。

まだふらついてぼーっとする頭を抱えながらも、足を止めなかった。



「シャチ…!! ペンギン……!!」



もし、あの爆発音が2人の近くだったなら。

Aはそんな予感がしてならなかった。



「どうしよう……どうしよう……!!」



泣きそうになりながら、Aは唯一頼れる人物の元へ急ぐ。

その途中で、Aは見つけた。

まだ消えていない焚き火と、血の跡2つ。



「………!!!」



ドクンッ…ドクンッ…と心臓が煩くなる。

焦り、不安、恐怖。

良くない感情が彼女の中をぐるぐると回っていた。

とにかくヴォルフの元に急がなければ。



(一緒に2人を探してもらおう……。大丈夫、ヴォルフは信用できる…。)



霞む目でやっとヴォルフの家を視界にとらえる。

Aは倒れそうになりながら1歩、また1歩と足を進めた。



「ヴォルフ……たす、け…」



ドサリ、と音がした。

白い雪の中に倒れ込む真紅の少女。

彼女はそのまま気を失ってしまった。



──────
───




ローとベポが連れてきた重症の少年2人。

出血が酷かったが、その少年2人とヴォルフの血液型は幸運なことに一致しており、血液を分けてやることが出来た。

その反動に少し目眩がするが、ヴォルフは外の空気を吸おうと外に出る。

まだローはオペ中で、ベポも素人なりに彼の汗を拭くなどしてサポートしていた。



「全く…ローと居ると退屈せん……ん?」



すこし悪態をつくように、ヴォルフは呟いた。

その時、遠くに見えた雪に埋もれつつある真紅。



「…A…!!?」



ヴォルフは焦って駆けよると、彼女の上にうっすらと積もった雪を払ってAを抱き上げた。

すっかり体温を奪われている。

医者ではない彼にさえAが危険であることがわかった。

慌てて彼女を風呂場に運ぶと、改良を重ねた“どこでも温泉くん”で風呂を沸かす。

ヴォルフはすぐに沸いた風呂に、彼女の着ていたコートごと彼女を入れた。



「死ぬんじゃないぞ…!!」



ヴォルフの声は少し震えていた。

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睦月(プロフ) - マリンさん» コメントありがとうございます!! そう言っていただけて嬉しい限りです(´˘`*) これからも頑張っていきます!! (2021年5月31日 8時) (レス) id: e2feea5660 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - ド直球に心に来ました!書き方からなにから全て凄く好きです!これからも無理せず頑張ってください (2021年5月31日 4時) (レス) id: 999a9c72ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睦月 | 作成日時:2021年5月30日 8時

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