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「だいぶ能力を使えるようになったね、ロー。それに一撃が重くなった。」
「鍛えるのをサボったことはねェからな。」
「さすが親分。」
くすっと笑ってローを揶揄うA。
ローは少し不満げにROOM瓩魏鮟した。
「もういいの?」
「ROOM瓩和領呂鮑錣襪鵑澄…持久力をもっと伸ばさないとな。」
「へぇ…執刀医と手術台…って感じだね。“オペオペ”の実っていうだけある。」
Aはそう言うと積もった雪に木刀を突き立てて、ぐっ…と体を伸ばす。
ローはそれを眺めて、ぽつりと呟いた。
「お前に勝てなきゃ…親分って呼ばれても嬉しくない。」
「…何言ってるの、ローは強いよ。刀が無きゃ、私はローに勝てない。」
悔しそうに言ったローに、Aはそう告げる。
その顔は自信なさげで、ローはそれも気に食わなかった。
Aは実力があるのに自分を卑下している、と。
「…あの刀はお前の手に馴染んでる。体の一部になってるんだろ。」
「…そうかも。」
Aが外出する時はいつもその腰に携えられている、全てが暗赤色のあの刀。
刀の名は“乙女の
だが斬れ味は抜群で、彼女が狩りで仕留めた動物達を斬ったその斬り口はどれも綺麗なものだった。
しかし、この刀の恐るべき事実が1つある。
「けど…あんな
「さぁ…?母さんの話じゃ、曾祖母の頃から私達の髪と瞳は真っ赤で、あの刀と共に生きてきたって。」
そう、乙女の穢は妖刀である。
以前、たまたまローが乙女の穢に触れてしまった際、思わず背筋が凍るような怨念がローの脳内に流れ込んだ。
しかし、Aはそれを一切感じないらしく、「この刀は私の家の者しか扱えないと言われてきた」と言うだけだった。
「乙女の穢の呪いかもね。私の家系の女たちがこんな色をしているのも。」
「冗談に聞こえねェよ。」
──────
───
─
その日の夕方、仕事から帰ったベポ達は「肉屋が安くしてくれた!」とイノシシの肉と新聞を1部持って帰ってきた。
「号外配ってたから、貰ってきた。」
「ローさんもAも、よく新聞読むだろ?」
そう言ってシャチとペンギンが新聞を2人に渡した。
ベポは今夜の夕飯を楽しみに冷蔵庫に肉を仕舞っている。
その様子をくすっと笑って、Aは新聞に目を移した。
そこに書かれていたのは、見覚えのある名前。
「……ドフラミンゴ…?」
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睦月(プロフ) - マリンさん» コメントありがとうございます!! そう言っていただけて嬉しい限りです(´˘`*) これからも頑張っていきます!! (2021年5月31日 8時) (レス) id: e2feea5660 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - ド直球に心に来ました!書き方からなにから全て凄く好きです!これからも無理せず頑張ってください (2021年5月31日 4時) (レス) id: 999a9c72ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睦月 | 作成日時:2021年5月30日 8時