第8話犇報 ページ37
───平和な日々が続いていた。
町での仕事、ヴォルフの手伝い、家事。
それらをこなして、空いた時間は各々自由に。
今日はベポとシャチとペンギンは町に仕事に向かって、Aとローが家に残っていた。
ヴォルフも町に発明に必要な材料を買いに行っていて、家には2人だけ。
「なぁ、A。能力の練習付き合ってくれ。」
「うん、いいよ。」
ローの誘いに乗って、Aは読んでいた本を閉じると雪の降る外へ出た。
そして修練用の木刀を手にすると肩慣らしに一度、ヒュッとそれを振る。
ローも鉄パイプを手に取ると、Aと対峙する。
「武器はそれでいいの?せっかく銃や長物もあるのに。」
「言ったろ、これは能力の練習だ。足元の枝や小石に気をつけな…!!
ROOM瓠!!」
「!!」
ヴンッ…とドーム状の膜が展開されて、Aは警戒して素早く木刀を構えて走り出す。
「爛轡礇鵐屮襯梱」
一瞬にしてAの後ろに移動したロー。
ローは鉄パイプを思い切り振るが、Aは木刀でそれを防いで振り向きざまにローに蹴りを1発入れる。
吹っ飛ぶ彼を追いかけて、Aは流れるように刀を振るう。
「猜枴銑!!」
「っ…!!」
3年前はこの一撃でやられてしまったが、昔のローとは違う。
シャチ達と共にヴォルフに鍛えられたのだから。
Aの攻撃を鉄パイプで防ぐと、ローはそのまま後ろに飛び退いた。
「やるね…。」
「馬鹿言え。俺はこの3年間でその技以外お目にかかれてない。」
「見たい?他の技。」
この3年間で、ローとAの実力は拮抗するようになっていた。
しかし、まだ少しAの方が上手のようで、彼女は余裕の表情。
「爛轡礇鵐屮襯梱!!」
「…!? …え……!!?」
ローは再びAと何かを入れ替える。
急に宙に浮いた自身の体に驚いて、Aは素っ頓狂な声を上げた。
「雪と入れ替えさせて貰った…!!」
「…っ
地面を蹴って飛び上がり、鉄パイプを振りかぶるロー。
空中では十分に動けまい、と思っての作戦。
しかし、Aは空中で体をよじって、ローの攻撃をかわした。
そして体をよじったのと同じ流れと勢いで、Aは木刀を振るった。
ローは咄嗟にそれを腕でガードするが、ローは雪の上に叩きつけられる。
しかし、直ぐに起き上がって、ニヒルな笑みで悪態をつく。
「新しい技なら、もう見れたから…気にするなよA…!!」
「こんの……!!」
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睦月(プロフ) - マリンさん» コメントありがとうございます!! そう言っていただけて嬉しい限りです(´˘`*) これからも頑張っていきます!! (2021年5月31日 8時) (レス) id: e2feea5660 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - ド直球に心に来ました!書き方からなにから全て凄く好きです!これからも無理せず頑張ってください (2021年5月31日 4時) (レス) id: 999a9c72ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睦月 | 作成日時:2021年5月30日 8時