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7-2 ページ35

「おっ、A髪型変えたのか!似合ってるぞ!」

「ロー、今日はいい薬草があるんだ。先生に後で店に来るように言ってくれ!」

「ベポ、仕事前に悪いんだけど、あの箱運ぶの少し手伝って貰えない?」

「シャチ、後で美容院行くから、よろしくね!」

「ペンギン〜!今日、いい魚が入ったんだよ!料理長に今日ディナーにでも、って勧めといてくれ!」



町におりれば、5人は町の住人達によく話しかけられた。

町で顔の広いヴォルフの同居人、というのも手伝ってこの3年間で彼らはよく顔を覚えられているのだ。

それぞれかけられた声に返事をして、彼らは仕事に向かう。



「おはようございます!」



Aも酒場につくと、元気よく挨拶をした。

店主は「今日も元気だなぁ」と笑って、彼女を迎え入れる。

エプロンをつけて店主の仕込みを手伝い、開店時間と同時にやってきた客達に注文を聞いてまわる。



「A!注文いいかい?」

「はーい!」

「Aちゃん、こっちも!」

「はい!」

「嬢ちゃん、俺達もいいかい!?」

「すぐ行きますね!」



今日はなんだかお客さんが多い気がする、なんて思いながらAは店内を駆ける。

ぐるりと店内を見渡せば、陽気な海賊たちが何人かいるようだった。



「いやぁ、嬢ちゃんべっぴんさんだなァ!」

「そうさ!Aはこの町で一番いい女さ!」

「お前には勿体ねェよ!こいつァ昔からとことんフラれてんだ!」

「うるせェ!」



海賊の1人がそう言って笑うと、1人の青年がそれにのっかる。

さらに店主もそれに豪快に笑いながら言う。

それを少し照れくさく感じながらも、Aは笑っていた。



「俺はまだ諦めてねェぞ!! A、今度デートしよう!!」

「遠慮しておくね。」

「あっはっは!! まーたフラれてやがる!!」



男の片想いはもう5年続いているが、5年間ずっとフラれっぱなし。



「なんだい嬢ちゃん、こんな熱烈な男の告白を断るなんて…好きな奴でもいるのかい?」

「さぁ、どうだろうね。」



陽気な海賊に尋ねられて、Aはそれをさらりと流す。

町で一番賑わう酒場。

そんな酒場の真紅のいい女の意中の相手は誰だ、と様々な憶測が飛び交う。



「やっぱりローか!まだひょろっちいが、あいつもいい男になったよなァ!」

「いやいやペンギンだろう!歳も同じなんだし。」

「シャチだって器用ないい男さ!」

「大穴でベポか!?」

「人の色恋より店のつまみを肴に飲みな男共!!!」

7-3→←第7話犲鮠譴凌森箸里いそ



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睦月(プロフ) - マリンさん» コメントありがとうございます!! そう言っていただけて嬉しい限りです(´˘`*) これからも頑張っていきます!! (2021年5月31日 8時) (レス) id: e2feea5660 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - ド直球に心に来ました!書き方からなにから全て凄く好きです!これからも無理せず頑張ってください (2021年5月31日 4時) (レス) id: 999a9c72ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睦月 | 作成日時:2021年5月30日 8時

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