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6-3 ページ30

「ねぇ、皆?」

「そうだよローさん!!」

「その能力のおかげで、じいさんは助かったんだし…すげェ能力だろ?」

「狙われるとかそんなの気にならないくらい、俺たち強くなるからさ。」



A、ベポ、シャチ、ペンギンの言葉に、じん…と目頭が熱くなる。

ローは「はは…」と笑うと、俯いた。

涙がこぼれないように、ギュッと目を瞑って。



「俺に勝ってから言えよ…。」

「うっ…。」

「ご最も…!」



ついた悪態も柔らかく、そんな彼の頭をAは撫でた。



「……私も言っておきたいことがある。」



Aのその言葉に、ローはドクン…と拍動を感じた。

彼女がローのオペオペの実の能力を、彼が話す前から知っていた理由。

彼女はそれについて話し始める。



「私、スワロー島に来るまでは…海賊だったんだ。」

「え…!?」

「海賊…!!?」

「…迫害されて育った私は、母さんが死んでからずっと人間を恨んで生きてきた。」



そう話すAの声がいつもとは違う少し弱々しいものであることに、ロー達は不安を覚える。



「だからこそ、私が生き続けてやる事が…復讐だと思ってた。でも、まだ9歳だった私は…1人で生きることが難しいって分かってたの。

だから、当時住んでいた港町のゴミ処理場を根城にしていた海賊団に、私を仲間にしてくれって乗り込んだ。武器の密輸をやっていたその海賊団は、私に金を払わず逃げた取引相手の首を取ってきたら考えてやるって言った。

───だから、本当にその男の首を持ってった。」



そう話すAの真紅の瞳が、いつもより陰っている気がしてローはぞわりとした。

Aはこんなにも冷たい目をする人間だっただろうか、と。



「復讐のために生きることに縋り付いていた。船長はそんな狂った私を気に入ったみたいで…将来幹部につかせてもいいなんて話をしていた。

その船長が欲しがっていたのが……オペオペの実…!よく話を聞かされたの…その能力や価値のこと。前に偶然、見ちゃって…ローがその“能力”を使ってるのを。だから、知ってたの。」

「そう、だったのか…。」

「…そして、その海賊団に身を置いて2年が過ぎた頃。煙草の匂いを漂わせるドジな海兵さんに会った。彼は…その海賊団を壊滅させるために、海賊のふりをしてた。」



Aのその言葉に、ローは目を見開いた。

煙草の匂いを漂わせる、ドジな海兵。

ローもそんな人を知っていたから。

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睦月(プロフ) - マリンさん» コメントありがとうございます!! そう言っていただけて嬉しい限りです(´˘`*) これからも頑張っていきます!! (2021年5月31日 8時) (レス) id: e2feea5660 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - ド直球に心に来ました!書き方からなにから全て凄く好きです!これからも無理せず頑張ってください (2021年5月31日 4時) (レス) id: 999a9c72ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睦月 | 作成日時:2021年5月30日 8時

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