検索窓
今日:14 hit、昨日:18 hit、合計:51,609 hit

6-2 ページ29

「にしても…仮にも医者が“DEATH”ねぇ…。」

「イレズミ屋にも言われた。」

「そりゃ言われるでしょうよ。」



座って珈琲を飲みながら、Aはけらけらと笑った。

でも直ぐに、ローの手を取ってじっ…とタトゥーを眺める。

その仕草が綺麗で、ロー達は思わずどきりとした。



「…でも、いいね。医者って感じ。」

「!!」

「A、ときどき難しいこと言うよね。」

「はは、ベポにはまだ早かったかな。」



Aの言葉に、ローは少し驚いた。

医者として(・・・・・)死を身近に感じておくために彫ったこの文字を、何も言わずとも理解してくれたAに。



「Aはどこにタトゥーいれてたんだ?」

「背中。この島に来た時に消したの。今じゃもうあまり痕も見えないよ。」

「ふぅん…。もう彫らないのか?」

「……次に彫る時は、余程の覚悟をした時だよ。」



シャチとペンギンの問いかけに、Aはまた一口珈琲を口に含んで言った。



──────
───




その日の夜、ローとヴォルフが話している声が聞こえてAは目を覚ました。

ベポやシャチ、ペンギンも目をこすりながら体を起こす。



「2人とも、まだ起きてたの…?」

「お前ら…ちょうど良かった。話がある。」



階段を降りて声のする方に行けば、ローは真剣な顔をしてA達に声をかけた。

何か決意をしたようなその表情に、全員は顔を見合わせる。



「何?話って。」

「…俺の“能力”について。」

「…!!」



ローの言葉に、4人はハッとした。

ヴォルフを救って見せたあの能力のことか、と。

Aの真紅の瞳が、ローをしっかりと捉えて呟いた。



「…聞かせて。」

「ああ…。」



ローは静かに語り始める。

…───スワロー島に来る前に、“オペオペの実”を食べて改造自在人間になったこと。

そのおかげで、珀鉛病を治せたこと。

このオペオペの実は究極の悪魔の実と呼ばれ、自分の命と引き換えに人に永遠の命を与える猊塹啓蟒儉瓩鮃圓Δ海箸出来ること。

だからこの能力を欲しがる人間が大勢いること。



「…この先一緒に居たら、お前らに迷惑かけたり…危ない目に遭わせることもあるかもしれねェ。」



そう言ったローを、Aはげんこつで殴った。

ゴンッといい音がして、「久々にいいのが入ったな」とペンギンが言う。



「何すんだよ!!」

「それでも一緒にいてくれ、くらい言いなよ親分。」

6-3→←第6話瑟壱隲



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
91人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

睦月(プロフ) - マリンさん» コメントありがとうございます!! そう言っていただけて嬉しい限りです(´˘`*) これからも頑張っていきます!! (2021年5月31日 8時) (レス) id: e2feea5660 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - ド直球に心に来ました!書き方からなにから全て凄く好きです!これからも無理せず頑張ってください (2021年5月31日 4時) (レス) id: 999a9c72ec (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:睦月 | 作成日時:2021年5月30日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。