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「何じゃ、わしは怪我をしとるのか…。ああ、お前らの遊び道具になるかと思って、電動飛行機の実験をやってたんだが…突風にあおられて墜落してしまった…。まったく、これでは天才の名が廃るわい…。」
「静かにしてろ! 話なら後でいくらでも聞いてやるから!!」
「後で」という言葉から、ローがまだ諦めていないことが窺えた。
今から町へ医者を呼びに行こうか。
いやダメだ、町へは1時間かかる。
どうすればいい。
Aの脳内をぐるぐると思考が巡る。
「俺がやる。」
ローが力強く宣言をした。
シャチ、ペンギン、そして自分も同じ血液型だというAからローは、輸血のために血を採る。
しかし、ローは不安でいっぱいだった。
今回はシャチとペンギンの時よりも高度な技術と分析力が必要になる。
ローの呼吸が乱れ、全身から汗が吹き出す。
その様子を見て、Aはいつか森で見た…ローの能力を思い出していた。
「ロー。」
真剣な声で、ローの名前を呼ぶ。
ガシッと彼の肩を掴んでAは告げた。
「“能力”を使うの。」
「は…?」
「ロー、その“能力”は…医者が食べれば真価を発揮する、“究極の能力”なんだ…!!」
「お前…なんで知って……。」
「そんなのは今いい!! 終われば全部話す!! だから…今はヴォルフを救う事を考えて!!」
話したことは無いはずだった。
それなのにAはローの能力…オペオペの実の能力を知っていた。
ローは動揺したが、Aの喝で決心がついたようだった。
「ROOM」
ヴン…と部屋を包み込むドーム状の膜。
「爛好ャン瓠!!」
ヴォルフの状態、何が問題か全てが見える。
「爛織ト!!」
5本のメスが宙を舞う。
鉗子も開創器も、全てがローの思うがまま。
能力の急な全開での使用による頭痛に襲われながらも、ローは懸命にオペを続けた。
「死ぬんじゃねェぞ…ガラクタ屋ァ!!」
──────
───
─
手術は終わった。
あとは、ヴォルフ次第。
ローもベポもシャチもペンギンもAも、疲れているはずなのに眠ることが出来なかった。
ヴォルフの呼吸が止まってしまいやしないかと、不安だったのだ。
そんな中でも、Aはずっと考えていた。
(…フレバンス…あの港町からそう遠くない。あの人はオペオペの実を探してるって言ってた。最後の電話は…声が少し弾んで嬉しそうだった。あの日ミニオン島に下ろされた狡札ゴ瓠帖
その3日後…ローは現れた。)
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睦月(プロフ) - マリンさん» コメントありがとうございます!! そう言っていただけて嬉しい限りです(´˘`*) これからも頑張っていきます!! (2021年5月31日 8時) (レス) id: e2feea5660 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - ド直球に心に来ました!書き方からなにから全て凄く好きです!これからも無理せず頑張ってください (2021年5月31日 4時) (レス) id: 999a9c72ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睦月 | 作成日時:2021年5月30日 8時