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「そいつらは俺の大切な子分だ!てめェみたいなゲスが!勝手にそいつらを“道具”なんて呼ぶんじゃねェ!!」



ローの言葉が、シャチとペンギンの胸に深く刺さる。

Aもその言葉に、優しく微笑む。

しかし、男は忌々しそうにローに向かって吼える。



「知ったような口をきくガキだ…いいか!俺がこいつらを引き取ってやったんだ!家も寝床も食事も与えてやった!! ああ、食事って言ってもネズミの餌みたいなもんだが…クズにはそれで充分なんだよ!!」

「このっ…!」

「どっちがクズ…!」



ローは男に殴りかかろうとし、Aはその喉元を貫いてやろうと刀を一度引いて構える。

しかし、それより先に───…



「もういい、喋るな。」

「お…ごっ…!?」



ヴォルフの拳が男の腹にめり込んだ。

そのまま男は前に倒れて気を失う。



「シャチ!ペンギン!

お前らは道具なんぞではない!! クズなんかではない!! いらない存在なんかではないんじゃ!! お前らは大切な同居人じゃ!!!

こんな男の台詞で、お前たちが傷つく必要は微塵もないっ!!!」



ローとベポはその場に立ち尽くしていた。

シャチとペンギンは地面に膝をついて泣いていた。

Aは刀を鞘に収めると、シャチとペンギンに駆け寄って2人を抱きしめた。

ぎゅう、っと強く…強く抱き締めた。



「シャチ、ペンギン…私の大切な友達。泣かないの、もう…何も怖がる必要はないんだ。」

「A…!! ヴォルフ…!!」

「ありがとう…ありがどう……!!」



その後、直ぐに騒ぎを聞きつけた町の駐在、ラッドが走ってくる。

ヴォルフはラッドにこの男の悪事の証拠、と言って武器や違法ドラッグを取り引きしていたことがよく分かる書類を渡した。

ラッドは目を丸くしてヴォルフを見る。



「あんた、こんなものをどうやって…!?」

「この1ヶ月、町の連中から情報を集めて、組織のアジトを突き止めただけじゃ。昨日その紙切れを奪う際に、ちょっとした乱闘にはなってしまったがの。」

「もしかして、2人とも最近帰りが遅かったのは…。」

「ふん。アジトを見つけるまでひと月もかかるとは思わんかったわい。おまけに5人を相手に戦う羽目にもなるわで、とんだ骨折り損じゃ。Aは7人、斬っては捨て斬っては捨て、じゃったがな。」



このために毎日のように駆け回っていたのかと思うと、ローはただ関心するしかなかった。

2人の優しさと、その強さに。

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睦月(プロフ) - マリンさん» コメントありがとうございます!! そう言っていただけて嬉しい限りです(´˘`*) これからも頑張っていきます!! (2021年5月31日 8時) (レス) id: e2feea5660 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - ド直球に心に来ました!書き方からなにから全て凄く好きです!これからも無理せず頑張ってください (2021年5月31日 4時) (レス) id: 999a9c72ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睦月 | 作成日時:2021年5月30日 8時

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