第4話爛吋献甅 ページ18
翌朝、Aは5人の子供たちの中で1番に目を覚ました。
まだ眠たい目をこすって、Aは体を起こす。
そして、お気に入りの黒のタートルネックとジーンズのスカート、タイツをタンスから出した。
それを持っていって、洗面所まで行って顔を洗い、歯を磨いて、真紅の髪を櫛で梳かして、服を着替える。
そして寝室に戻ると、自身の暗赤色の刀を手に取った。
(…昨日あんなこと言ってたけど、きっとローもまだ怖いはず。ベポやシャチ、ペンギンの…不安が消えるわけじゃない。)
今日、彼らは町におりる。
「……皆なら大丈夫。」
Aは、自分にそう言い聞かせて、朝食の準備をしにキッチンへ向かった。
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「時間じゃ、出発するぞ。」
朝食を食べ終えて、そう言うヴォルフの後について、彼らは巨大な8人乗りのバギーに乗り込んだ。
ローが助手席、ベポ達3人がその後ろの座席、Aは暗赤色の刀をシートに立て掛けて1人で最後列の席に座った。
バギーは凄い速さで町までの道を駆けていく。
十数分で町の入口に差しかかるほど。
「着いたぞ。」
「行くよ。」
ヴォルフとAの声に、ロー達はバギーをおりて、頼りない足取りで2人の後ろをついていく。
「今日はいい魚が採れてるぜ!買った買ったぁ!!」
「今なら特別サービスで3割引きだよ!!」
ロー達は辺りを見渡して驚いた。
タトゥーを彫る店や占いの館、楽器や絵本の専門店。
プレジャータウンには様々な店が並んでいて、あまりの賑やかさに圧倒されてしまう。
そして何より驚いたのは、町の人達のヴォルフとAに対する態度だった。
「よぉ、ヴォルフ!A!今日は一緒におりてきたのか?」
「うん、そう!」
「ヴォルフさん!Aちゃん!あらあら、後ろの子達はなぁに?ヴォルフさんの孫?」
「あほう!こいつらは単なる居候じゃ!」
「へぇ、みんな可愛い子達じゃない。子供たちに免じてサービスしちゃう。ほら、Aちゃんも!リンゴ貰っていって!」
「わぁ…ありがとう!」
「あっ!A!今日も美人だなぁ、これからデートでも…ゲェッ、ヴォルフのじいさん…!」
「一丁前にAを口説きおってこの若造め!」
歩く度に誰かがヴォルフとAに話しかける。
2人の連れということで、沢山の人達がロー達に関心を向けてくれた。
決して誰も、彼らに嫌悪や侮蔑の眼差しを向けたりはしなかった。
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睦月(プロフ) - マリンさん» コメントありがとうございます!! そう言っていただけて嬉しい限りです(´˘`*) これからも頑張っていきます!! (2021年5月31日 8時) (レス) id: e2feea5660 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - ド直球に心に来ました!書き方からなにから全て凄く好きです!これからも無理せず頑張ってください (2021年5月31日 4時) (レス) id: 999a9c72ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睦月 | 作成日時:2021年5月30日 8時