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2-7 ページ13

ペンギンは静かに語った。

いつもならAが町で買ってきた食材があったこと。

しかし、ちょうど買い出しに行く日だったあの日、Aが熱を出してしまってそれが出来なかったこと。

その日の食事のために、狩りをしていたらイノシシに襲われたこと。

急なそれに狼狽えていたら、イノシシの突進でシャチの腹が抉られたこと。

追い払おうと取り出した爆弾が手元で爆発して、自分の腕がちぎれたこと。

この話を聞いて、ローには1つ疑問が浮かび上がった。

そして、恐らくヴォルフもベポもそれを気にしている。



「…お前ら、親はどうした。」



回りくど言い方をしても仕方ない、とローは直球で聞いた。



「…シャチの親も俺の親も、半年前に死んだ。高波に攫われて…。」

「…Aは?」

「…父は私が産まれる前に事故死。母も6年前に病死した。」



そう静かに言ったA。

そんな彼女とは違い、シャチとペンギンは泣き出すのを必死にこらえているようだった。

ペンギンは両親が死んでから、何があったのかもローたちに話した。

両親の死後、2人はシャチの叔父と叔母の家に預けられることになったこと。

しかし、そいつらは武器の密輸や宝石店での窃盗を、無理やり彼らにやらせるような人間だったこと。

食事もパンと水しか与えられなかったこと。

それを聞いてローは眉間に皺を寄せた。

ヴォルフもベポも言葉を失って2人を見る。

そんな中、Aがヴォルフに向き直って言った。



「ヴォルフ、2人をここに置いて欲しい。」

「何じゃと!!?」

「A!? 何言ってんだよ!!」



彼女の突然の申し出に、ヴォルフは思わず素っ頓狂な声を上げた。

ペンギンも慌てた様子でAの肩を掴む。



「私じゃ、2人に満足な生活を送らせてやれない。あの家に戻すわけにもいかない。…頼れるのはヴォルフだけなの。」



Aの真剣な瞳に、ヴォルフはふむ…と考え込む。

その緊張した空気をわざと壊すように、ローが2人に向かって口を開いた。



「よし、じゃあお前ら、俺の子分になれ。そうしたら、とりあえずここには住まわせてやる。」

「何でお前が決めとるんじゃい!!」

「ちなみにこのベポも既に俺の子分になっている。」

「初めて聞いたよ!そうだったのかよ!アイアーイ!!」



このやり取りを見て、ヴォルフは仕方ない、とため息をついた。

だが直ぐに「条件がある」とAに言った。



「A…お前も一緒にここで暮らすことじゃ!」

「……え…!?」

第3話犧は昔瓣←2-6



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睦月(プロフ) - マリンさん» コメントありがとうございます!! そう言っていただけて嬉しい限りです(´˘`*) これからも頑張っていきます!! (2021年5月31日 8時) (レス) id: e2feea5660 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - ド直球に心に来ました!書き方からなにから全て凄く好きです!これからも無理せず頑張ってください (2021年5月31日 4時) (レス) id: 999a9c72ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睦月 | 作成日時:2021年5月30日 8時

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