五線譜 (ページ6)

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「俺、男だよ？」

「うん、知ってて好きになった。同性を好きになっちゃいけない理由なんてないでしょ？」

そうだよな、理由なんてない。

「段々聞こえなくなる俺、迷惑しかかけないけど。」

「俺が代わりにあなたの耳に届くはずだった音、全部教えてあげるよ。」

キザなセリフ。

「今日みたいにパニックになるよ、きっと」

「そしたら俺がいつでも抱きしめてあげる。」

それならパニック起こすのも悪くないかも。

「俺めんどくさいし、めちゃくちゃ重いよ？」

「それは…何となく気づいてた笑大丈夫だよ」

気づいてたの？

「俺の事捨てない？」

「捨てるわけない！！別れる時は俺が振られる時だよ」

ここまで言ってもわかってくれない？俺好きになっちゃったよ君のこと。

「ほんとに俺でいいの？やっぱり女の子がいいとか言わない？」

「言わないよ！ってか、それって？？いいってこと？？」

「鈍いなぁ」

「ちゃあんと言ってくれないとわかんないもん！！！」

ギャーギャー騒ぐジェシーさんに思わず笑みが零れる。

「あ、やっと笑った。Hehe、嬉しい」

「……すき、です、」

「すきだよ、ほくと」

ジェシーさんに手を引かれて胸の中に収められる。
冷たくなっていた身体が、心が、彼に触れられたところから溶かされていくように暖まっていって、あぁこの人はきっと太陽なんだって思った。