おめでとう4 ページ5
｢……あれ君もしかして路地裏の不良くん？！｣
｢……ごめんいきなり？｣
｢うん｣
路地裏の不良、大概の人なら
恐れて気づいた瞬間この場から去るだろう
でも彼女は、
｢あっ本当だ、傷……｣
女らしい手で俺の頬の傷に軽く触れる
それがすごく様になっていて
少し胸が高鳴った気がして。
｢お、雪だ……｣
ふわりと笑う彼女。
この短時間でこの子はどれだけの表情を
俺に見せるのだろう。
｢あ、赤羽君。
寂しいって言ったじゃん？
私に言えるんだ、親にも言ってみたら？
クリスマスぐらいいて欲しいって｣
……いや、
｢クリスマスってより、
今日、俺の誕生日だし｣
｢まっマジか！！｣
口をあんぐり開ける顔はあまりにも可笑しくて
｢っははっ！何その顔！｣
つい笑ってしまった
｢わ、笑った……！
やっと笑った！｣
彼女はそれを待ち望んでいたかのように
繰り返した
｢ねぇ、赤羽君！｣
｢ん？｣
｢不良が悪いなんて一眼に言うもんじゃないね｣
｢え？｣
いきなり何言い出すんだこの子は
｢だって、悪い人だったら
めんどくさいとか言って人助けないでしょ！｣
｢赤羽君は、良い人だね！｣
また少し胸が高鳴って、
何かが動く。
｢あ、ここ俺ん家｣
｢お、どのタイミングで移動したんだ私らは。｣
｢まぁおっ邪魔しマース！｣
｢待て待て待て待て！｣
こいつには常識があんの？
｢あ、カルマ！！｣
｢っえ、……母さん？父さんも……｣
居ないはずの両親がいる
なんとまぁ世にも奇妙な物語で
｢おお！赤羽君の両親様ですか！｣
｢あれ、仕事じゃないの？！｣
｢実は帰ってきてて、サプライズしようと｣
｢……そちらの子は？｣
｢ああー、えっと｣
なんて答えたらいいのか迷っていたら
｢赤羽君が寂しがってました！｣
｢えっはっちょ？！｣
余計なことを言い始めた
｢お仕事がお忙しいのはわかります！
ですが構ってあげてください！｣
｢あら！そうなの？カルマ｣
｢いやいや……その…………｣
答えられないでしょこんなの
｢ありがとね、彼女さん！｣
｢え、彼女じゃないですよ？！｣
余計なことを言うのは
家の母さんも同じようなもんだったらしい
｢えー、カルマにも折角春が来たと思ったのに……｣
｢じゃ、私はこれで！｣
｢あ、玄関まで行くよ｣
｢色々ごめんね赤羽君｣
｢こちらこそ｣
｢そーだ、赤羽君どこ中？｣
｢え？椚ヶ丘だよ｣
｢あ、一緒だ！｣
嘘？！椚ヶ丘って馬鹿はいれるの？！
｢失礼な事考えたでしょ｣
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なつみ@いろは歌(プロフ) - なっつぁんさん» ありがとうございます。衝動で書いたものですがそのように言っていただき光栄です (2017年12月25日 21時) (
レス) id: 4a80c9a6db (このIDを非表示/違反報告)
なっつぁん(プロフ) - 面白かったです (2017年12月25日 20時) (レス) id: 0e23e3cf6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつみ@いろは歌 | 作成日時：2017年12月25日 20時
