ブラーボりょうのボンサバドゥ!チャンネル ページ5
・ryo side
｢紗菜。今からキミの名前はぽーちゃんだ。｣
Aが紗菜を抱き上げて言う。
｢ぽ、ちゃぁー？｣
それならばと俺は菜央を抱き上げて言った。
｢菜央、今からキミの名前はちーくんだ。｣
｢ちぃー、く？｣
ずっと前から考えていた動画内での双子たちの名前。
色々悩んだ末、Aぽっぽちんから｢ぽ｣と｢ち｣を受け継ぐ形になった。
そして今から、個人チャンネルでの撮影が始まる。
双子が生まれてから、前々から準備していた引越しも済んだのでようやく撮ることが出来るのだ。
内装紹介も兼ねての撮影。
Aは張り切って髪の毛をセットしている。
｢久しぶりに化粧したわ。たまにはいいね。｣
｢綺麗だよ。｣
｢うふふ、ありがとう。｣
産後も変わらずに綺麗だ。
歳を取らないんじゃないだろうかと思わせるくらい。
｢ぽーちゃんとちーくんはままとぱぱのお膝の上だよ。｣
｢ぁあー！｣
｢おひ、じゃ？｣
ちょこちょこと、俺の膝の上に登る紗菜ことぽーちゃん。
菜央ことちーくんはAの膝の上に。
Aの、いいよ、の目線合図で挨拶を始める。
｢ボンサバドゥーー！東海オンエアりょうの個人チャンネル、ブラーボりょうのボンサバドゥチャンネルへようこそ！｣
くすくす笑うA。
双子たちは急な俺の大声にびっくりしたようだ。
目をまん丸にして俺の方を見る、Aの膝の上のちーくん。
｢これ、私たちの挨拶はどうしたらいいの？｣
｢考えとらんかった！｣
うーん、何にしよう……。
するとAが急に挨拶を始めてしまった。
｢ボンサバドゥ！Aです！｣
そしてちーくんの片腕を優しく掴んで上げた。
｢ボンサバドゥー！双子の弟ちーくんです！｣
｢ちー…くぅ、でう！｣
飲み込みの早すぎるちーくんに驚く。
Aがえらいねー、と頭をよしよし撫でていた。
それを真似したいのか、ぽーちゃんが手を挙げる。
｢いーく、でぅ！｣
ちーくんと言いたいのか……。
俺もぽーちゃんの片腕が優しく掴んであげる。
｢ボンサバドゥー！双子の姉、ぽーちゃんです！｣
すると真似して言うぽーちゃん。
｢ぼ、しゃどぅーー！｣
｢ボンサバドゥの方言っちゃったよ！｣
Aが笑いながら言った。
｢ほんとだね。｣
ついつい頬が緩んじゃう。
これで挨拶は決まりかな？
｢というわけでね、今回はやっと、家族で動画を撮ります！｣
｢わーい！｣
拍手するA。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：糯 | 作成日時：2020年5月21日 15時
