・・・*68 ページ6
・
私にとって東海オンエアはホームだ。
もうひとつの家。
ワクワクさせてくれる場所。
「俺はね、Aが世間に出るのは……彼氏として反対したいの。でも、東海オンエアとしては出て欲しい。」
りょうくんにそう言われて、私はただの東海オンエアのお手伝いじゃなくて、りょうくんの彼女として視聴者さんに見られるんだと再確認した。
難しい選択をしたと思う。
りょうくんもいっぱい考えてくれた。
私は、こんなに何度も幸せを掴んでいいのか。
東海オンエアのスタジオに着いた。
隣にはりょうくんがいる。
今日はみんなに改まって話をするんだ。
「お邪魔します……」
「堅苦しいなあ。一緒に頑張って伝えよう。」
「うん……。」
それでもやっぱり不安。
自分を認めてもらおうとする時、こんなに不安になるんだ。
リビングへ繋がる扉を開ける。
そこにはみんながいた。
「Aーーー!!」
真っ先に飛びついてきたてつや。
「こらこら人様のモノに手出さないよ。」
虫さんがそんなてつやの首根っこを掴んで離す。
後ろのとしみつが珍しく優しく微笑んでいた。
しばゆーは相変らす人中嗅いでる。
ゆめまるはごろんと転がっていた。
「A。」
りょうくんに背中を押されて1歩前に出た。
ちゃんと言おう。
「私、また皆と動画作りしたい。前みたいにすぐには来れないけど、協力したい。」
ぎゅっと目を瞑る。
「待ってたよ、ずっと、その言葉。」
目を開けると、てつやが嬉しそうな顔で笑っていた。
他のみんなも頷いてくれている。
「随分時間がかかったし、いつの間にかりょうの彼女になったけど。」
ゆめまるが起き上がりながら言った。
「Aと虫さんのタイトルコール、うるせーし高いけど割と好きだし。」
としみつが真顔で言う。
受け取るこっちは複雑な気持ちだよ!
「おかえり動画撮る?しれっとサブチャン撮っちゃう?」
虫さんがカメラを片手に言った。
「Aの顔面公開かー。おもろそう。」
しばゆーがパシャパシャ私の顔を撮りながら言う。
なんかされそうで怖い。
最後にりょうくんが後ろから私の頭を撫でながら。
「やったね。」
大学生の頃の私へ。
今、やっとこの人たちと一緒にいられてるよ。
幸せすぎて、泣きそうだ。
あんまり泣かんのに、
「あーーー、りょうが泣かしたー。」
「俺!?俺なの?」
「最後に頭ポンポンとかイタリアするからー。」
大好き。
183人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:糯 | 作成日時:2020年5月7日 2時