・・・ryo100 ページ38
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チーン、とエレベーターが目的の階に着く音が聞こえた。
｢あーあ、もう少しでりょうくんにちゅーできたのに。｣
不服そうに離れていくA。
エレベーターを降りる。
｢りょうくん？行くよー？｣
ふにゃっと笑いながら手を差し出すA。
ずって足取りがふらふらで、思わず支える。
……この人は、どれだけ魅力的で、俺を困らせる気なのか。
キーで部屋の鍵を開けて、部屋に入る。
ヒールを脱いだAは背伸びをしながら言った。
｢りょうくん、一緒にお風呂入ろう！｣
｢え？｣
いつも恥ずかしがってのに、Aから言うなんて。
｢はやくはやく。｣
これは、本格的に酔いが始まってるな。
手を引っ張られてシャワールームに入る。
完全にAのペースに飲まれてしまっている……。
Aはゆっくりとワンピースを脱いで、下着姿になった。
そして俺の視線を辿る。
｢えっちだね。｣
……どっちがだ。
たまに爆発する色気、普段はどこに隠しているんだろう。
Aはそのまま後ろを向いて裸になって直ぐに浴室に入った。
あとを追うように俺も入る。
気持ちよさげにシャワーを浴びるA。
綺麗な筋の入った背中にキスをする。
｢あ……｣
Aの声が浴室に響いた。
｢りょうく、ん、｣
愛しそうに名前を呼ぶA。
Aの一つ一つの言葉や仕草にぐらついてしまう。
Aの体を正面に向きなおらせて、唇を奪う。
シャワーが降り注ぐ中、お構い無しにどんどんAの口内を探る。
時々漏れる声が、色っぽい。
Aを抱き抱えて浴槽に入る。
｢A、見て。夜景綺麗だよ？｣
真っ赤な顔をして目に涙を浮かべたAの顔はゆっくりと窓側に。
ふわっと微笑んだ。
｢綺麗だね……こんな素敵なところにありがとう。｣
さっきまでの勢いが消えて落ち着いたみたい。
楽しかったし刺激的だったけどなあ。
俺に背中を向けて夜景を眺めるA。
後ろから抱きついてみる。
｢わっ！｣
｢……Aって背中綺麗だよね。｣
｢そう？りょうくんも綺麗だと思うけど。｣
肌の温もりを感じる。
……Aの全部に触れたい。
｢……あがろうか。｣
そういうと、Aはコクリと頷いた。
体を拭いてベッドに向かった。
抱きしめて、キスをする。
｢……幸せだなあ、私。｣
Aに見上げられる。
｢俺も、幸せだよ。｣
ベッドが深く沈む。
繋いだ手の薬指に光るのは────────
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作者名：糯 | 作成日時：2020年5月7日 2時
