・・・tetsuya88 ページ26
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「着いたーー!疲れたーー!」
相変わらず東京は遠い。
新幹線に乗っている間、ずっと編集していたからね。
「僕も控え室の編集やってたから疲れた。」
虫さんも肩こった、と首や肩を回したがらホームを歩く。
隣のりょうはスマホ見てニヤついていた。
どうせAだろう。
「しばゆーの息子とツーショット。」
ああ、そういえばしばゆーとAが向こうの家行くとか言ってたな。
「へー、いいじゃん。子ども好きだもんねA。」
後ろから背伸びをしながらスマホを覗き見る虫さん。
てか早くタクシー乗り場行かんと、騒ぎになるから!
ちょっと急ぎめでタクシー乗り場に向かった。
タクシーの中。
じゃんけんで負けて助手席に乗る俺。
編集しながら後ろの会話を聞くことしか出来ん。
「りょうくんはAと結婚する気ないの?」
気になってた!
「する。絶対する。Aしか考えられんもん。」
りょうの意思が強すぎる。
「子どもは何人欲しい?」
「うーん、2人が無難かなあ。」
「最近おせっせしてる?」
「……してないかも。」
「ええええ!?」
驚いて振り向く。
運転手さんがびっくりするでしょ、と虫さんに注意を食らった。
「すみません!」
「いえいえ……」
ていうか俺、変態だなほんと。
「なんでしてないの?」
虫さんがズケズケと聞く。
「単純に時間ないからかな。」
「じゃあ今日がチャンスやん。」
ホテル泊まるし。
虫さんもうんうん頷いている。
りょうは手で顔を覆って隠した。
「俺さ……今日、プロポーズしようと思うんだけど。」
「「えええ!?」」
虫さんと俺の悲鳴が車内に響く。
相変わらず運転手さんはビックリしていた。
「すみません!」
「いえいえ……」
ていうか、今日なの!?
「プランは?」
虫さんが聞く。
するとりょうは俺と虫さんを、指さして言った。
「まず、お前らを排除する。」
「へ?」
「おっとー?」
……俺たち殺されるの?
「今日、4人で晩御飯食べるってなったじゃん。別々にして欲しい。てかそうして欲しい。もうレストランの予約入れたから。」
「なんだと!?」
「おお!?」
横暴過ぎる!
でも目がガチだ……。
俺らのご飯は?
「てつや……虫さん……お願い!」
手を合わせるりょう。
りょうにこんなに懇願されることって滅多にないな。
虫さんと目を合わせる。
そして、ぐっ、と親指を突き出した。
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作者名:糯 | 作成日時:2020年5月7日 2時