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ぽんすくんは真っ先にしばゆーに抱きついた。
こうやって見ると2人の顔をちょうどミックスしたような顔立ちだ。
「ぽんす、お客さんだよ。」
「お、きゃくさん?」
私に気づいたぽんすくん。
まんまるいつぶらな瞳が可愛い……!
自己紹介しなきゃね。
しゃがんで同じ目線になって笑いかけてみた。
「はじめまして!Aっていいます、よろしくね。」
「A……?」
「そうそう!パパのお友達なんだよ。」
「しば、ゆーの?」
「ふふっ、そうだよ!」
しばゆーって言われる時もあるのね。
いっぱい喋るんだね。
すごい。
ぽんすくんは私の頭をガシャガシャ触る。
「A、は、おねえさん?」
今、ぽんすくんにめっちゃ撫でられてる?
にっこにこのキラキラの、そんな眩しい笑顔で髪の毛ぐしゃぐしゃにされる。
「こら、ぽんす、ぐちゃぐちゃになってるからやーめーて。」
「いいですよ、全然!」
「元々ボサボサだもんねー。」
おいしばゆー。
「うーくん!」
あやなさんにも怒られてるじゃん。
とまあ、2人は置いといて、ぽんすくんとおしゃべりおしゃべり。
「Aおねえさんだよー。」
イメージはNHKの歌のお姉さん。
しばゆーはバカにしたような感じで見てくるけど無視!
「Aおねーさんー?」
身体をぐにゃーんと曲げて嬉しそうに跳ねるぽんすくん。
「かわいい……」
つい心の声が漏れてしまった。
いいなあ、こどもって、いいなあー。
「りょうくんとAさんの子どもとか絶対可愛いかイケメンじゃないですか。」
あやなさんが興奮気味に言う。
お茶を運んできてくれたのでありがたく受け取った。
「お茶ありがとうございます……いやいや、そんなそんな……」
「身長高くなりそうではある。」
それは確かに。
私は166センチで、りょうくんは185センチだもんね。
「結婚は考えてないの?」
右手のおもちゃでぽんすくんをあやしながら聞くしばゆー。
手馴れてるなー。
……結婚か。
あんまり考えてなかったけど、柴田家見てたら家族っていいなって思えてきた。
「家族っていいなって、今思ったわ。」
「羨ましくなった?」
「うん。」
いつの間にかしばゆーとあやなさんとぽんすくんが3人まとまって座っている。
いいなあ、この構図。
「2人目は考えてないの?」
気になって聞いてみる。
そうすると2人は顔を見合わせた。
ん?
「実は、あんまり人に言わないで欲しいんだけど……────────」
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作者名:糯 | 作成日時:2020年5月7日 2時