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東海オンエアとの生活を始めて、数ヶ月が経とうとしている。
ここまで来るのに随分と時間がかかった分、すごく充実してるし、楽しい。
最近になってようやくこの生活に慣れてきたし落ち着いてきた。
そしてまさに今、午前8時。
私の車は東京に向かって走っている。
後部座席には金髪ボサボサ頭のしばゆーが疲れた顔して眠っていた。
目的地は柴田家。
結婚式以来、奥さんには合っていないけれど快く迎えてくれることになった。
軽く、しばゆーの子供みたいなーとか言ったらすぐに行動に起こしてくれた。
まあ運転するのは私だけど。
しばゆーは車もってないからね。
東海オンエアと家族、両方にYouTubeがあるなんて、日本でしばゆーだけじゃないかな。
私には想像もつかない苦労があるんだと思う。
雰囲気を察するに、東海メンバーと奥さんの間で何かあったみたいだけど……。
私は気にしないことにした。
だって知らんもんね。
しばゆーだって、なんにも事情知らん人が友達の中にいた方が気が楽だろう。
そうこうしているうちに、あともう少しで家に着く。
長かったー……。
人生でいちばん長く車を運転したかもしれん。
あれ、もう少しで着くのにナビ終わったんだけど!
「しばゆーーー起きてーー!ナビ止まった。」
住宅街の道路の端に車を一時停止させる。
後部座席でぐでっとしているしばゆーをつつき起こした。
「んん……?もう着いたの……?」
「うん。近所まで来てナビが止まったから道案内して。」
「わかった……」
寝起きで頼りないけどさすがに家までの道は分かったみたい。
ようやく柴田家に着いたーー!
「ここがぼくちんの家でっす。」
「でかい。」
すごいでかい。
さすがだなー。
しばゆーが家の鍵を開ける。
なんか緊張してきた……!
「ただいまーー。」
呑気なしばゆーの声。
ドタバタと足音を鳴らして2階から降りてきたのは、奥さんである、あやなさん。
「うーくん!!おかえりー!」
そして私を見てにっこりしながら言った。
「Aさんもお疲れ様です。」
可愛い奥さん……。
「ままぁーーー!ぱ、ぱぁぁ!!」
2階から元気な声。
噂のぽんすくんだな。
「あがってくださいー!」
あやなさんを先頭に2回へ続く階段をのぼる。
部屋まで歩いていく。
しばゆーもぽんすくんに早く会いたいのかソワソワしていて、ああ、こいつ、パパになったんだなって。
改めて思う。
「ぽんすー、ただいまー!」
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作者名:糯 | 作成日時:2020年5月7日 2時