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「あそこは地獄だ。君にとっての監獄になるだろう。」
「監獄…どういうことですか。」
「その言葉の通りさ。目的の為ならば使えるモノは全て使う。殺しもさせる。嫌になっても逃げ出すことは絶対に出来ない、逃がさない。」
その言葉に力が抜ける。
私の周りが危ない目に遭わないのなら、と思っていてもそう言われてしまったら恐怖が勝つ。
『じゃあどうしたら、いいんですか…っ。』
「君をここ、探偵社で預かる。」
その言葉に五条先生が握る手を強めた。
「勝手に話を進めるなよ。Aはうちの大事な生徒だ。探偵社については調べさせて貰ったよ。ここも充分危ないんじゃない。」
いつものおちゃらけた五条先生ではなく、怒気を含んだ五条先生の声が部屋に溶けた。
太宰さんは表情を変えることなく口を開く。
「君達呪術師が呪いを呪いでしか払えないように、異能力は異能力で対応する。それに、ポートマフィアに対応できるのはここだけだ。安全は保証する。」
皆に会えなくなるけどもここに居れば、私の周りの大事な人達は、誰も傷つかない…?
『……私、ここに居ます。』
気づいたら口が勝手に動いていた。
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作者名:をかし | 作成日時:2021年2月4日 0時