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『なに、それ…』



私の首に50億?

現実とは掛け離れた数字に、自分に金が掛けられてるという現実に頭が痛くなる。




「…その、Aの首を狙ってる奴らはなんなの?」




ずっと黙っていた五条先生が口を開く。
その質問に太宰さんは頭を掻きながら少し顔を歪め答えた。




「ポートマフィア。港湾都市横浜を縄張りにする凶悪な組織。随分と厄介なのに目を付けられたね。」




なんで、どうして。
それだけがぐるぐると回っては頭の中を支配した。




「身を隠しても何をしてもポートマフィアは、どんな手を使ってでも君を探し出して必ず見つける。」


「君の周りを殺してでもね」と太宰さんは続けた。




私のせいで周りの誰かが死ぬなんて考えたくもない、耐えられない。






『じゃあ、じゃあ私がもうそこに行けば、顔を出せば』


「何言ってんですか!」



『だって!嫌だよ!私のせいで周りの誰かが!』



「A、落ち着いて。」



『落ち着いていられるわけな』



「Aちゃん」




静かに、低く冷たい声に言葉が詰まる。
太宰さんの瞳が私を捉えた。






「そこに行っても君に幸せはないよ。」

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作者名:をかし | 作成日時:2021年2月4日 0時

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