【FGO】第六次聖杯戦争

聖杯戦争、開幕 7 ページ8

一見するだけならば、ありきたりな殺人事件だと思い見逃す人もいるであろうそのニュースに、ダ・ヴィンチが画面越しに覗き込み、しっかりと目に焼き付ける





「…実はね、この事件より何時間前にも、似たような殺人事件が起こっていたんだ」

『……う、うそ』

「本当さ。それに昨日も一昨日も、似たような殺し方で死んだ一般人が多発している。それもこちらで確認出来ている
一般の奴らから見れば、これは本当に"ただの連続殺人事件"だ。だが、私たちは一般人ではない。しかも今は聖杯戦争の真っ只中だ
だとすれば、考えられる事は1つ」

『サーヴァントの、仕業だって事？』

「その通り」







ダ・ヴィンチは手を動かし、カルデアの巨大モニターに過去数日の日本で流さた殺人事件のニュースを取り上げる






「この数日で、10件程の殺害がこちらで確認出来ている。殺され方は皆同じ、心臓を抉られて殺されている」






ごくり、と立香は唾を飲み込んだ。心臓。血液が行き来する人体の大事な器官






「私たちはこれらの事件をアサシンによる行いだと推測する。それ以外考えられないだろう
もしかしたらアサシンのマスターは既に死んでいるのかもしれない。そう考えれば、殺しているのも納得がいくだろう」

『……自身を維持する為に、無関係な人を殺して、魔力を摂取する方法、てこと』

「その通りだ。このままアサシンを野放しにしていれば、多くの犠牲が出るだろう
そして、もう1つ」





ダ・ヴィンチは画面を変え、別のものをモニターに映し出す





「昨日の夜2時頃、都内のビルでガスが蔓延し、多くの人物が死に至ったというものがある
しかも、そのビルに居合わせ、ガスを吸って死んだ一部の奴らの死体が行方不明だと」

『……アサシンとは、違うやり方…』

「そう。これはアサシンの仕業ではない。きっとこれはキャスターの仕業だろう。毒の使い手だろうな。そしてこの行方不明になった死体。キャスターはこの死体を使い、何かをしでかそうとしている」






ダ・ヴィンチが開いていた画面を閉じ、画面の前の立香を見る


彼女は先程の可愛らしい少女の顔は消え去り、険しい形相でダ・ヴィンチを見ていた






「気をつけたまえ。消えたヘラクレスに、殺害を繰り返すアサシン、死体を盗み企むキャスター……
この聖杯戦争、少々厄介なことになるぞ」








　







　

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