お暇さえも貰えない 8 ページ23
「セイバー、前々から聞きたいと思っていたんだけど、聞いていい？」
「僕が答えられるなら。なんだいマスター」
アーサーと立香の買い物を終わらせ、ベンチに座り、立香は問うた
「アーサーは、前の聖杯戦争で買ったんだよね」
「そういうことになるね」
「…聖杯って、どんなの？」
その言葉に、驚く。彼女は7つの特異点を攻略し、聖杯を得たマスターだ。聖杯が何たるかを彼女は知っているはずだ
「……どう、と言うと？」
「ほら、例えば、禍々しいものだったとかほら、そういうの」
「リツカは聖杯を手にしたマスターだろう？」
「それは特異点での話だよ」
立香はぴしゃりと言い放つと、渋谷の街並みを見渡した
「……私、冬木の聖杯戦争の残骸を見たことがあるの。それが初めの特異点。聖杯戦争が終わった直後の場所
酷い有様だった。高い建物が崩れ去って、人もいない、あるのは炎だけの場所
きっとそこでは、聖杯を奪うために、7人のマスターが殺しあっていたんだっていうのがわかった。でも、その景色を見た時に思ったの
聖杯はたった1つの願いを叶える。でもそれって
多くの人を犠牲にして得た願いなら、聖杯は願望器なんかじゃない」
立香の握る拳が一等強くなる。リツカ、とアーサーが声をかけると、我に返り、少し照れて頭をかいた
「変な事言ってごめん。でも、そうかなって思っちゃって……
ダ・ヴィンチちゃんは回収してほしいと言ったけど、もし聖杯がそうなら、私は壊した方がいいと思う。1人のマスターの願いのために、多くの人が死ぬのは、見過ごせない」
「＿＿__ああ」
「______だから、絶対に私たちが聖杯を手に入れるんだ」
立香は腕時計を確認し、もうまもなく待ち合わせの時間に近づいていることに気づき、席を立った
「さっきの話は忘れて、あと、みんなには内緒にしてね」
そう笑う立香の後ろを、守るかの如くアーサーは歩いた
「………聖杯は願望器じゃない、か……」
アーサーは、かつての聖杯戦争を思う
『餌』として躊躇いもなく聖杯に身を投げる子供
巨大で禍々しい
妹にまで手をかける姉
少女の胸に深々と刺された聖剣
「………確かに、聖杯は願望器などではないな」
静かに、アーサーは立香に聞こえぬよう言葉を漏らした
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幻想彼岸桜 - 初めまして！凄くおもしろいです！カルデアから連れてってるメンバーがもう、最高すぎて、ほんと、好きです←更新とても楽しみにしています！頑張ってください！！あと、文才分けてください← (2018年5月2日 2時) (
レス) id: c7d5f2986a (このIDを非表示/違反報告)
かかお(プロフ) - Kagariさん» 私の好きな鯖を選んでいたので完全にこれ読む人偏るのでは！？と思ってたので安心しました！！ 私もプーサーもマーリンもドゥも大好きでドゥに限ってはLv100にするくらいです笑 そう言っていただけて大変嬉しく思います！アサシンくんとってもかっこかわいいので是非！ (2018年4月4日 14時) (レス) id: 5132762bda (このIDを非表示/違反報告)
Kagari(プロフ) - 俺得メンバーありがとうございます！！プーサーとマーリン、エルキドゥ大好きなのでとても嬉しいです。お話もとても面白いし、ウチのカルデアにアサシンの縁はまだ無いのですが、このお話を読んで早くお迎えしたくなりました。次の更新が楽しみです。長文失礼しました。 (2018年4月4日 11時) (レス) id: 770035d039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かかお | 作成日時：2018年3月29日 3時
