【黒尾鉄朗】好きって言っておけばよかった

もう嫌になっても・笹野 ページ9

ーAsideー



1人でトボトボと歩き、家に帰る途中のコンビニで、缶チューハイを買った


家に着き、メイクも落とさないで、酒をチビチビと飲みながら鉄朗の事を考える







あ「鉄朗、髪下ろしてたなー









ハァーーーーー」






深いため息をついて、テーブルに額をゴツンとぶつけると、鈍い痛みが走った



でも今は、そんな痛みよりも心の方が何億倍も痛い









.









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鉄朗が髪を下ろしている＝朝お風呂に入ったということ






あの髪型は寝癖なわけだから、夜寝て朝起きるとあの変な髪型になっている



でも、朝お風呂に入れば自然と寝癖は取れる





あ「したんだよね、浮気相手の子と・・・・・」








私も鉄朗も、朝風呂は体に良くないと言って基本夜に入る



だけど、情事後は仕事に行く前に必ずお風呂に入る









さっきからそればかり頭の中にあり、気づいた時には買ってきたお酒8本は無くなっていた




お酒には強いほうだけど、何故かとても気持ち悪い

酔ってはいないが吐き気が襲ってきた




急いでトイレに駆け込み、便器の中に全てを吐き出した









今日食べたものも、アルコールも、愚痴も、涙も、嗚咽も









すべて









あ「もっ・・・・・ゃっだよ、ツライ・・・・・っよ・・・・・！」



自然と涙が溢れてきて、顔は涙と鼻水とでグチャグチャ







泣き止んだかと思えば、急激に眠気が襲ってきてベッドに倒れるようにして寝た









.









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ピピッピピッピピッ





アラームがなんとも機械的な音を鳴らす


まだ眠い目を擦りながらも、今日1限からだーと項垂れつつ、手はアラームを止めた








あ「ふぁーーー」




本日何度目かの欠伸をかましながら、大学に向かう準備をする








不思議と昨日のことは気にせずいれた


あ(昨日いっぱい泣いたおかげかな・・・・？)





だけど、今回のことでわかったこと

私はかなり鉄朗のことが好きということ








あ「好き、・・・・・・・なんだな」









小さく呟いた声は、近所の踏切の音で掻き消された

もう別れようって決心しても・黒尾→←デートなんてもっと面倒・黒尾

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