★９３★ ページ45
ともくんは、ご両親にピッタリとくっついて座っている。
お母さんの服の裾をしっかり握っている。
母「とも、ちゃんとお留守番してくれてありがとう、
ママもパパも助かったよ」
とも
「ばあば、大変だから、我慢したもん(泣)
もしもしも点滴もお薬もしたんだよ(拗)」
父「ママもパパもいなくてもやってもらったんだね、
すごいね」
とも
「・・・潤ちゃんも和くんも一緒だったから」
母「ご飯もちゃんといただいたんでしょ？」
とも
「うん、おうどんとおにぎりとパンとスープ」
母「すごいね、いつもだったら、全部イヤイヤしてママとパパ、
困らせるのに(笑)」
父「そうだよ〜『これじゃない〜』って、ママもパパも何回も買い物
行くのに」
とも
「ママもパパも翔先生に言わないで〜
翔先生に『どうしようかな〜？ともくん』って言われちゃうよ」
母「大丈夫よ、今はクリニックじゃないから、
翔先生はお休みされているでしょ、聞いてみたら？」
とも
「翔先生、お休み中？」
翔「お休み中だよ、そんなに先生のこと、怖い？」
とも
「あのね、翔先生がいいの、でも、注射とかもしもしは
怖くなっちゃうし、大嫌い、
ママとパパと翔先生でいろいろ決めちゃうもん」
翔「いつもね、ママとパパとも相談するけど、ともくんにもちゃんと
言っているつもりなんだけどな(笑)」
とも
「そうなの？ともくん知らないよ」
母「そうよ、いつもちゃんと、
ともくんにも相談して教えてくれてるのよ、
ともくん『いや』しか言わなくて、先生もママもパパも
困っちゃうんだよ」
父「『今日は痛いことしないよ』って言われても、
『絶対、うそだ〜(逃)』って診察室すら入らない時もあるし、
出て行こうとするしね」
翔「この前の定期診察の時ですね(笑)
結局、違う日にきてもらったんですよね〜、
『今日は絶対、ムリ』って」
父・母
「そうです(笑)
お家でもさんざん、ぐずぐず言って私とお邪魔するはずが
パパも一緒って三人でお邪魔したのに(笑)
翔先生、笑って『また、お顔見せてね』って許してくれました
けど」
翔「あの日、お食事行かれたんですか？」
父「いえ、取りやめでした、ともくん、拗ねちゃって。
『ともくんの好きなお店じゃない』って、結局、家へ帰りました」
母「拗ねたまま、ご飯も食べずに寝ちゃいました、
ね、ともくん」
とも
「もう、翔先生に教えてあげないで」
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2020年11月9日 6時
