～陽のあたるリビングで２～ (ページ1)

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★５０★ ページ1

智くんと連絡帳を見てみる。

やっぱり、よく泣いたみたい。

お友達や先生の声にびっくりしたり、ドアの開け閉めの音でびっくり。

智くんと二人で、そうだよね、お家だとそんなに大きな音がすることもない。

特別、気を使っているわけではないけどね。

オムツ交換も食事も、家族がいるところで、別の方にやってもらうことは
あったけど、家族がいないところで職員さんにやってもらうのは、不安だった
みたい。入院中を思い出したのかもしれませんと書かれていた。

和くんの寝顔を見ながら、「たくさん泣くと思うけど、王子の大冒険を
応援しようね」と話した。

夜は、まーくんが帰ってきて「えらかったね、お疲れさま」とほめて
もらっていた。

その後、もう普通のことになったお風呂に入れてもらった和くんは、
満足そうに眠りについた。

智side
次の日の朝、いつもどおり和を起こす。

お口からも少し食べて足りない分は、胃ろうから入れる。

翔くんの診察も終わって、「元気だね」って言ってくれた。

お弁当と荷物を用意して、俺と雅でディサービスへ送って行く。

車の中ですでに「パパ～ま～」って半泣き。

駐車場で車いすに乗せようとしても、嫌がって反るから抱っこで
部屋へ向かう。

智・雅「おはようございます」

職員「は～い、おはようございます、和くんおはよう」
「体調はどうですか～？」

智「朝ごはんも食べられて、主治医の診察も大丈夫
だったんですけど、こんな感じです(笑)」

職員「車いす嫌ですか？抱っこがいいんですかね？」

雅「抱っこは大好きですけど、今は無理に反っていると
思います。王子が炸裂しています」

職員「まだ、一人は二回めですよねぇ～
和くん、今日みんなで焼き芋大会するよ、
楽しいから和くんも一緒にしよう」

和は雅に抱かれて、グズグズしている。

職員「じゃあ、お預かりします」

グズグズのまま和は職員さんに抱っこされた。

職員「行ってきま～す」

智・雅「泣くと思いますけど、お願いします。
和、お迎えに来るからね、バイバイ」

雅と二人で足早に駐車場へ戻る。