ようこそ、おうちへ (ページ5)

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ゆっくり時間をかけて、おうちでの生活に慣れてきた。

知的と身体的なリハビリに通っているけど、いやがってどうにもならない。

病院が近づくと泣き出して、車からも降りないって大騒ぎするみたい。

駐車場で待っていると母と一緒にやって来たけど、大泣きしている。

母
「お迎えありがとう。おうち、おうちって」

「おいで、行こう」って言いながら、ジュニアシートからおろして抱っこ。

「や〜、おうち〜」ってそりかえる。

「だいじょうぶ、だいじょうぶ、翔ちゃんも一緒に行くから」

少しずつ言葉も増えて、いろいろなことができるようになってきた。

そのまま、リハビリ室へ到着。

先生
「こんにちは〜がんばってきたね〜」

「お世話になります。最近、こんな感じなんですよね、見にこられなくてすみません」

先生
「おうちが安心できる場所になった証拠ですね。ここ(病院)へ来ると、不安なんだと思います。
　全然、平気だった診察も大泣きなんですよね？」

「そうなのよ。心電図も心エコーも採血なんてもう大泣きも大泣き。入院中に何度もやったし、おりこうさんにゴロンしていたのにね。
　採血も１回ぐらいは平気だったし。心電図も心エコーも大泣きで不完全でさ。『や〜いたい〜ママ、パパ、おうち〜』って。
　泣かないから大泣きはあんまりないからさ」

先生
「おうちと病院での翔先生のギャップもあって、不安なんだと思いますよ」

母
「おうちだと翔が一番ですけど、ここへ来ると私と主人を呼びます。検査の時は、お医者さんの顔になるので」

「そんなに変わらないと思うけどな・・・入院中からずっと検査もしてるし。そろそろ、泣やもうよ。
　泣きすぎだよ。何にもしてないでしょ」

ますます、大泣きに拍車がかかる。

先生
「おうちで泣やもうって言いますか」

母
「言いませんね(笑)どうしたのって言いながら、抱っこしてよしよししてくれるもんね〜。仕方ないけど、翔ちゃん
　少し厳しくなるもんね、潤ちゃん」

潤
「あっち〜」

先生
「あっち？どこへ行きたいかな〜行ってみようね」

大泣きであっち〜ってリハビリ室から出たがる潤ちゃんの希望を聞いてくれた先生。