ようこそ、おうちへ (ページ2)

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翔side

潤ちゃんは、小さく産まれて心臓病があって、心身ともに発達がのんびりしている。

主治医になった時には、心臓の手術は終わった後。

本来なら、退院してお家で過ごせる状態だけど、潤ちゃんに両親はいない。

正確にはいるけど、潤ちゃんを育てる意思がない。

長い間、不妊治療をして授かった赤ちゃんが潤ちゃんで、小さく産まれて心臓病があることを受け入れられない。
どうしても育てられない。と育てることを放棄されている。

もちろん、治療が落ち着いたタイミングで施設への入所が検討されたけど、入所日が近づくと体調を崩して見送りになった。

産まれてから一度も退院することなく、６歳になった。

毎日、病院のベッドで過ごす潤ちゃんに少しでも家庭的な生活を経験させてあげたいと思って、両親と同居している自宅へ外泊させた。

何度目かの外泊を終えた日の夜、両親に呼ばれた。

「潤ちゃんをうちで育ててはどうか」

父も現役の小児科医、母はかなり前になるけど、看護師をしていた。

母
「パパと話したんだけど、うちで過ごしたらいいんじゃないかって。入院しなくてもいい状態でしょ」

父
「そろそろ、少し仕事を減らそうと思っていたし、ママも私も元気だからな」

そこから、話し合いを重ねて外泊も続けて、いよいよ今日退院する。