★６★ ページ7
「じゃあ、ゴロンして膝を立ててくれるかな」
素直に従ってくれる。
触ったあと、壁の方を向いてって横を向かせる。
小さな声で「どっち？」って聞いてきた。
「うん、小さいお薬するよ。見て？
小さいからね」
見せたら何個って聞くから、一個だよって答えた。
少しズボンずらすよって声をかけて、お薬を注入した。
いや、きらい〜って声をあげたけど、動かずにじっとしていた。
「終わったよ」
ズボンを戻して、背中をさすりながら話す。
「潤ちゃん、本当は一人暮らしがよかったんだよなあ。
身体のことばっかり言われて、いやになるよなあ。
どう？」
声を出さずにうなずいている。
「病院もさぼりたいよなあ」
潤「みんながね、身体のことを心配してくれているってわかる。
だけど、だけどね。嫌になる。潤だけ、いろいろ・・・」
「なあ、翔ちゃんにも厳しく言われて、薬も何個かあるし。
もっと、自由にしたいよなあ」
潤「友達は調子悪くなったりしないもん・・・」
「そうかなあ、潤ちゃんが病院へ行った時、同じぐらいの子もいるでしょ。
喘息の子も薬が必要な子もいるよ。
みんな、それぞれがんばってるんだよ」
潤「うん・・・でも、潤ちゃん、注射も検査もきらい。
お尻のお薬もきらい・・・」
「でも、今もちゃんとやれたもんね。
翔ちゃんも助けるから、つらくなる前に教えてよ」
潤「わかった。お尻のお薬は毎日？」
「ううん、お腹がしんどくなった時だけだよ」
潤ちゃん、体操はできてる？リハビリの先生と約束してるの」
潤「勝手にやめてる」
「わかった、やろうって思うけど、いやだ？」
潤「明日からやろうって思うけど、面倒になって・・・
リハビリに行ったとき、硬くなってるってすごく痛い。
今日？今からやる・・・？」
「今日はやらない(笑)明日から、一緒に少しずつやろう。
毎日じゃなくてもいいから」
潤「うん」
「でもね、ここは潤ちゃんのおうちだからね。楽しく過ごそうよ。
それで、楽しく過ごせるようにお薬とか体操は面倒だけど、がんばろう。
翔ちゃんも手伝うから。頼ってくれたらいいんだよ、もちろん、俺が
困った時は助けてよ。いい？」
潤「いい」
「うん、そろそろ、お手洗い行こうか」
お手洗いまで一緒に来てって言うからつきそう。
しばらくすると戻ってきた。
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2022年2月15日 6時
