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診察室を出て処置室へ行く。
先に処置室で看護師さんと打ち合わせ。いつも採血するまでの
グズグズがすごいらしい。
「潤ちゃん、おいで」って中へ呼び入れた。
まあ、嫌そうに入ってきた。
潤「・・・今日はやらない」
「ここまで来たのに？」
潤「うん、潤ちゃん、やらない。きらい」
「嫌いなんだもんなあ〜いやだ、きらいって言ってる間に
終わるよ。
がんばってみよう、な？」
返事はないけど、すすめる。
「椅子？ベッド？」
潤「椅子がいい」
「はい、どうぞ〜」
しぶしぶ、座った。
俺を見上げて「1回で終わり・・・」って言う。
「約束する。もし、1回で終わりにならなかったら、
今日はなしにしてもらうから。それでいい？」
潤「いい・・・」
そこからは、案外スムーズに腕を出した。
「ちょっと、冷たいよ、潤ちゃん、向こうむいてて。
チクっとするよ」
針を刺すと、ほんの少しだけビクッとした。
「終わったよ。気分悪くない？」
潤「だいじょうぶ・・・」
顔をみると、大きな目がウルウルしている。
「がんばれるじゃん、後は診察だけだから、
平気？」
無言で首を横に振った。
ボソボソと翔ちゃんも一緒に来て。先生に何もしないでってお願いしてって
言った。
希望を聞いて、採血の結果が出たあとの診察に一緒に入った。
まあ、何を聞かれてもまともに返事しないけど、目をつぶった。
「じゃあ、また今度ね。大学生活楽しんでね」って言ってくれても
返事もせずに出て行こうとする。
もちろん、お母さんと俺は「ありがとうございました」って返事した。
お母さんにごあいさつしないって言われても無視。
潤ちゃんの態度にカチンときて、「こら、潤、ごあいさつ」って
言った。
潤ちゃんは、「ありがと・・・」ってぶっきらぼうに言った。
その言い方にまだ、納得できなくて、「もっとちゃんと」って言いかけた
けど、先生にとめられた。
先生は、「どういたしまして」って笑顔で見送ってくれた。
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2022年2月15日 6時
