出発進行 (ページ3)

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★３★ ページ3

翔side

弟の潤ちゃんがリハビリ病院へ転院した。

半年前、けがをして自分の勤める病院へ運ばれてきた時には、
全てが終わってしまったと思った。

でも、潤ちゃんはがんばってくれた。

大変な治療を乗り越えて、全国でも有数のリハビリ病院へ転院する
ことができた。

事前に転院の相談に来た時に担当してくれた和先生がそのまま
主治医になってくれた。

病院のシステムでチームを組んで潤ちゃんを担当してくれる。

チームの皆さんにストレッチャーに乗せてもらって、病室のベッドへ
移してもらった。

潤ちゃんの少しの表情の変化にも気づいてくれた和先生。

翔「潤ちゃん、オムツかえようね」

結局、ずっと泣いている。

オムツをかえながら話しかける。

翔「もう少ししたら、抱っこするから泣かないで待ってて」

看護師さんが入ってきた。

看「失礼します。すぐ洗浄の準備してきます」

翔「大丈夫ですよ、拭き取りで」

看「いえ、遠慮しないでください。みなさん、
毎回、洗浄することになっていますから。
潤ちゃん、すぐ準備してくるね」

看護師さんは準備をしてすぐ戻って来てくれた。

洗浄中も潤ちゃんに声をかけてくれる。

看「潤ちゃん、いや？
高校生だもんね、恥ずかしい？
でも、かぶれたら困るからね。
終わったら、ご飯入れてもいい？」

翔「ありがとうございます。毎回洗浄ってありがたい
です、ホント、今日は泣きっぱなしだね(苦笑)」

看「快、不快を感じることも刺激になるっていう
考えで。
潤ちゃん、便秘がひどいって申し送りにありました
けど、今日はとてもやわらかいお腹してますね」

翔「ここへ転院してすぐ、嫌なことしなくていいようにって
少し早めに済ませてくれたんです。
お鼻の管も、主治医が『嫌われっぱなしだよ』って言いながら
交換してくれたんです。どっちも大泣きでした」

看「そうでしたか。あらら、潤ちゃん、
お尻もお鼻もなにもしないよ、ごめんごめん。
本当によく話聞いてますよね、意思表示もしっかり」

翔「・・・そうかな？身内の欲目かなって・・・」