出発進行 (ページ14)

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研修医
　「失礼します、そろそろ、車椅子乗る頃かなと思って
　来てみましたけど、皆さんいらっしゃいますね」

看「あんまりたくさんだと緊張しちゃうね、
潤ちゃん、またね」

研「和先生もきてくれるはずです」

雅「車椅子乗って待ってようか？」

研修医の先生と雅先生で車椅子に乗せてくれた。

雅先生がこっそり、『そのまま、帰れるように準備して
散歩に行きましょうか』って言った。

翔side

今日はすごくがんばった潤ちゃん。

転院して、診察、検査もあってご飯も食べてくれた。

歯磨きもいつもよりスムーズにやらせてくれた。

もう、かわいくてしかたない。

病院の規則で基本的に夜間の付き添いは禁止。

こんなにがんばった日は、抱っこしたりトントンしたりして
寝かせてあげたいけど、できない。

一緒にいても夜のぐずぐずがひどいから、心配でたまらない。

スタッフの皆さんにどれだけ迷惑をかけるのかと思うと・・・。

和「えらい、ちゃんと準備できてる。
今日は、パパとにぃと研修医の先生でお散歩に行こうね」

雅「潤ちゃん、散歩行ってらっしゃい、また明日ね」

みんなで病室を出て、ひとけの少ない院内を回る。

和「歯磨きがすごく上手にできたって聞きました」

智「今日はすごくスムーズにやってもらえました。
全部、すごかったです。うれしいことがたくさんありました。
ありがとうございます」

和「全部、潤ちゃんの力ですから。コンビニで少しお買い物いいですか？」

智「もちろん」

店内へ入ると、うれしそうな表情。

智「久しぶりだもんね、何にしようか？先生たち、お忙しいから
今日はパパが決めていい？」

和「大丈夫です。ゆっくりみましょう。私も彼も買い物しますから」

翔「・・・そうですか。ありがとうございます」

ゆっくりみて、棒付きのチョコと小さなフィギアが付いたお菓子と
小さな子向けの月刊誌を買った。

和先生はブラックコーヒー、研修医の先生はお弁当を買った。

一緒にお支払いと思ったけど、払わせてくれなかった。