あの雲の向こうに２ (ページ29)

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★７９★ ページ29

「やっぱり、看護師さんにはわかるの？」

看「はい、なんとなく。必要な処置の時は、一緒に励ましてくれ
　ますし、甘えてぐずぐずの時も、怒ったりせずに落ち着くまで
　見守ってて、オムツ交換も嫌だって言ったら、しばらくは
　じゃあ、そのままいなさいって」

「そうそう、でも、ダメな時はダメってね。
　さとくん、ママ、怒ったら怖いんだよね？」

アイスを食べながら聞く。

智「ママ、ツノね。らめって」

看「さとくん、誰が一番怖いの？」

智「しょうちゃ」

看「え？そうなの？翔先生なのね、
　夜遊びしてもおこらないのに・・・」

智「えびさん・・・ちっくん、おしりも
　お耳、お鼻、歯・・・」

「ショックだけど、仕方ないよね(笑)
　主治医だし・・・それにしても、鼻水すごい」

看「夜、点鼻薬してるのに・・・」

「泣くからね～鼻水製造機になってるよね」

看「家庭用で赤ちゃん用の電動の鼻水吸い取り器が
　売ってるんですけど、結構吸えるんです。
　うちの子、使ってました。
　さとくん、対象年齢は超えてますけど、少し吸えるだけで
　いいですよね。
　ちゃんと、耳鼻科にも通ってますもんね」

「へぇ～そんなのあるんだね。どこに売ってるの？」

看「赤ちゃん用品のお店かネットで。
　ネットだと口コミも見られるので便利ですよね」

鼻水を拭きながら話す。

「ありがとう、早速見てみるよ。
　でもまた、確実に嫌われるよね」

看「赤ちゃんの頃は大泣きでしたけど、少し
　大きくなると、ちょい泣きぐらいでしたけど、
　ホントに出てきた鼻水だけを吸う感じなので。
　でも、さとくん・・・
　先生、がんばってください」

「人ごとだと思って・・・
　ありゃ、アイス食べながら寝ちゃった。
　歯磨き、今日だけはいいか。
　起こすと、次こそ寝てくれないもん」

しばらく、看護師さんと話して病室へ戻る。
やっぱり、ママは起きて待ってくれていた。