★７５★ ページ25
耳鼻科の診察室を出ると、潤ちゃんが座っていた。
「もしかして、待っててくれたの？」
潤「うん、病室へ行ったら夕食そのままで、聞いたら、コンビニ行ったって。
コンビニの店員さんが翔先生なら耳鼻科の先生と話していましたって、
教えてくれて、来てみたら声がしたから待ってたよ」
智「じゅんちゃ、おんぶぅ」
潤「え？抱っこじゃなくて？できるかな？」
「上手に使い分けるんだから・・・帰りは車いすって約束してたのに(笑)」
潤「そうなの？もうすっぽりおさまってるよ・・・やられた。
今日は１日大変だったみたいだね〜、翔ちゃんとケンカして、その後、
みんなを困らせて〜。
潤ちゃんともごはん食べないって大泣きしたし〜
もしもしもしないって大暴れしたんでしょ〜。
看護師さんが『さとくん、案外、がんこちゃんだよね』って話していたよ」
母「案外じゃなくて今日は、ウルトラスーパーよね、
ママね、明日、パパに教えてあげようと思って」
智「ママ・・・らめよ」
母「ダメなの〜？パパ、なんて言うかしら？」
「パパ、『あ〜あ〜、あんまりみなさんに迷惑かけたらダメだよ』って
言って、笑いそうだね」
潤「パパはツノ生えることないの？」
母「はい、ほとんどありません・・・。
たまに、『さと、いい加減にしなさい』って言うぐらいで、
あまあまです。なんだかんだで、みなさんに恵まれて、
優しくしていただいて。甘やかされて。ねぇ〜翔くん」
「そうです」
病室へ戻って来た。
潤「さとくん、怒ったらだれが一番こわいの？」
智「しょうちゃよ」
母「そうなの？？てっきり、ママだと思ったんだけど(笑)
翔くんのこと、怒らせるのさとくんじゃない」
潤「そうか、翔ちゃんなのね(笑)、俺じゃなくてよかった」
「潤ちゃんひどいよそれ〜」
潤「ごはん、もう一回もらってこようね、お腹空いたでしょ」
智「ごは・・・いやら」
「今日もね、さとくんのすきなのだと思うけどな〜」
潤「ただいま〜、あれ？コアラちゃんになってる」
「いやらって・・・言うんだよ〜」
潤「そうなの？カレーなのにな〜」
智「・・・カレー」
母「そうよ、さとくんすきでしょ、
明日、おうちへ帰る子は、食べられるもんね、
用意しようね」
潤「じゃあ、ママと翔ちゃんと食べてるところ見せてよ、
潤ちゃんいない時でも、上手に食べてるもんね」
「そうだね、そうしよう」
俺が抱っこして、ママに食べさせてもらう。
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2021年2月23日 21時
