★７２★ ページ22
「ごめんごめん、着替えてくるよ、大泣きだって聞いたから、
着替えずにきちゃったんだよ」
着替えて、ちょうど病室前まで届いていた夕食を受け取って、
入る。
「ただいま」
母「ほら、いつもの翔ちゃんよ、
ついにおうち帰るって言い出しちゃった」
「おうちね〜朝、その話しようと思ってたんだよ。本当は。
点滴を抜くのにあんなに泣いてみんなを困らせるから」
智「・・・しょうちゃ、うわ〜ん」
「もうなかなくていいよ。抱っこしよう、
点滴抜いてるし、干からびると困るんだよ」
「おんぶしてあげようか？」
おんぶしてユラユラすると、歩いてほしいって言い出した。
智「しょうちゃ、おうち」
「うん、おうち帰ろうか。でも、パパ、出張だから
もう2回だけお泊まりしよう、今日と明日だけ」
智「いやもん、おうち」
「でも、おうち帰ってもパパいないよ」
母「翔くん、パパ、１日早く明日帰って来られるって」
「そうですか〜よかったけど、明日の夜、帰るとなると
今から、採血することになるんですけど・・・。
さとくん、明日おうち帰るけど、今からちっくん
してもいい？」
智「・・・」
母「嫌だけど、今からしてもらったらどう？
翔くんしてくれるって、ね、お願いしよう」
「どうする？翔ちゃんが抱っこして、先生にお願いしてもいいよ」
智「しょうちゃ、抱っこ」
「わかった、先生にお願いしてくるね」
スッタフステーションへ行って事情を話してお願いする。
先生
「いやだよ〜また、俺が泣かせるの・・・」
泣かせてばっかりだからと嫌がる先生を半ば無理やりお願いした。
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2021年2月23日 21時
