あの雲の向こうに２ (ページ3)

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翔「お利口さんだったよ、びっくりした、
　痛いことしてごめんね、すぐ戻ってくるから、
　ママとねんねしててくれる？」

母「大丈夫だよね、翔ちゃん、出張終わったって。
　ねんねできるもんね」

智「ふ～ん」

翔「なるべく早く戻ります、なにかあったら、ナースコール
　して下さいね、俺も近くにいると思います」

母「ありがとう、しばらく、上を向いたままよね？」

翔「そうです、上向きです、嫌がるかな」

母「わかりました」

病室を後にする。

スタッフステーションに戻って、夜に検査を手伝ってくれた
お礼を言う。

看「大丈夫です、リハの松本先生と二宮先生が『翔ちゃんいない病』
　だっておっしゃっていましたけど・・・」

翔「いやでも、４０度だからね～、これ少しだけど、みんなで
　どうぞ」

看「いつもありがとうございます」

もう消灯時間を過ぎているけど、他の担当の子の部屋をのぞいて
回った。

起きている子だけ診察して、寝ている子は顔を見て回った。

みんな落ち着いていたみたいで一安心。

スタッフステーションへ戻ると、看護師さんから声がかかる。

看「先生、さとくん、動きたくて泣いちゃってます・・・
　抱っこ～って」

翔「ああ、やっぱり。今からは
　さとくんの部屋にいるから、急変とかあったら呼んで下さい」

看「わかりました、先生、帰らないんですか？」

翔「うん・・・帰らないと思う、心配で帰れない」

さとくんの部屋へ向かう。