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智「あっち行け〜ばか〜」
「あ、もう一回ばか〜って言ったら、しょうちゃん怒るからね」
智「あっち行け〜ばか〜」
母・看
「言っちゃった〜」
「わかった、じゃあ、ちゃんと回診に来てくれる先生にもしもし
してもらってね、
じゃあ、あとはお願いします」
病室を出る。
大泣きが聞こえるけど、ダメなことはダメってちゃんと分かってほしいし、
分かっているはず。
今日は外来担当日。
途中で回診担当の先生から、『大泣きでかわいそうだよ〜』って言われた。
外来が終わって、病棟へ上がる。
担当の子たちを診察する。
スタッフステーションへ入ると、声をかけられる。
看「先生、そろそろ許してあげてくださいね、じゃないと、ぶり返し
ちゃいそうです」
「は〜い、すみません・・・食べてないね」
看「そうですよ、潤先生もお手上げでした。
和先生ものぞいてくれましたけど、気分変わらなくて・・・。
オムツもお熱も全部嫌です。点鼻薬もお薬、入ったかどうか・・・」
「そろそろ、のぞいてきます」
朝、病室を出た後に着替えた白衣のまま、病室へ向かう。
「失礼します。どう？」
母「さとくん、翔ちゃんきてくれたよ。
もう、一日中泣きっぱなしのがんこちゃんで、みなさんを
困らせました。な〜んにも食べてません。
潤先生の言うことも聞かずです。和先生もきてくれたけど、
ダメダメでした」
智「・・・むぅ、ママ、らめ」
母「ダメって、誰よ、一日中泣いてた子、
ママも困っちゃったわよ(笑)」
「ねぇ〜、ばか〜あっち行け〜って言っていいの？」
智「・・・らめ、やくそく」
「ちゃんと、分かってるでしょ。翔ちゃん、朝、もう一回
言ったら怒るよって言ったでしょ。
なのに、言ったの誰〜？
いい？
ばかは言わない。やくそくだよ」
智「・・・はい」
「じゃあ、もうこの話はおしまいね、ずっと、泣いてた子だれ？
お顔、すごいことになってるよ、
オムツもパンパンですけど(笑)
もしもしはしてもらったの？」
母「オムツ交換しないって・・・お尻、赤くなっていたいよって言ったけど。
もしもしは、大暴れしました。先生もあきらめるぐらい。
ほとんど、診てもらってません。ウルトラスーパーがんこちゃんでした」
「ウルトラスーパーがんこちゃん・・・
みんな、翔ちゃんよりやさしかったでしょ」
智「うわ〜ん、しょうちゃ」
「少し落ち着こうよ。オムツ交換したら抱っこしよう」
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2021年2月23日 21時
