★６５★ ページ15
潤「潤ちゃんが抱っこしようね」
大人しく潤ちゃんに抱っこされた。
翔「そうだ、お土産にこれ買ってきたんだよ」
プラスチック素材で魚の絵が描かれたスプーンとフォーク。
潤ちゃんが動き出す。
潤「いいな〜、これでごはん食べよう」
智「パクってしない〜いやら」
潤「うん？見るだけみてみよう、すきなのあるかな〜」
蓋を取って見てみるけど・・・、ザ・病院食。しかも、
さとくんの嫌がるおかゆ。
智「ちらい、きらい」
潤「そんなこと言わずにお味噌汁だけ食べま〜す」
智「うう〜ん、しょうちゃ」
潤「しょうちゃんいるよ、ちゃんと食べるよって
見てもらおう」
潤side
おうちの時と同じように『これだけ食べるよ』っていう量を
取り分ける。
少食だから、多い量が見えるだけで嫌がる。
「これだけね、はい、あ〜ん」
智「らめ〜」
「うん？お豆腐だよ」
智「とるの〜」 潤「ああ〜これ？」
お豆腐についている小さなネギを取ってほしいという。
普段なら『取らなくても大丈夫』って言うけど、今日は取ってあげる。
「はい、取ったよ、あ〜ん」
智「うう〜ん」
「ありゃ、しんどいかな。これだけな」
翔「さとくん、おやすみにしてもらおうか」
「出た、翔ちゃんのあまあま、夕食は、小児食にしてもいい？
ママのご飯にはかなわないけど、少しはいいでしょ」
翔「うん、看護師さん来たらお願いしておくよ。
おかゆじゃなくて普通のご飯ね」
「そうだね、お願い」
智「ふぇ〜、ママ〜パパ〜しょうちゃ」
翔「さみしくなった？よしよし、しんどいんだもんな、
潤ちゃんにプリン食べさせてもらおう、
ゼリーでもいいよ。
食べたら、本読もう」
智「いやら〜パクってしない〜ふぇ〜」
翔「うんうん、いやなんだよな〜
潤ちゃんもいっぱい食べようって言わないからね、
ちょっとな、ちょっとだけ」
「あ〜これ、潤ちゃんすきなんだよね〜
さとくん食べないなら、もらって行こう。
やった〜」
智「さとくんの・・・プリ」
翔「潤ちゃ〜んだめだよ。さとくん食べるんだから、
返しなさい」
「残念、返すよ〜だ」
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2021年2月23日 21時
