★６２★ ページ12
おんぶして病室内をウロウロする。
『しょうちゃ』って話しかけられる。
翔「は〜い、どうしたの？しんどい？」
智「お耳・・・」
翔「お耳痛い？」
智「いたたない・・・いやらよぅ」
翔「いやだね、でも、いつもと一緒。抱っこして
診てもらうよ」
看「失礼します(小声で)耳鼻科どうぞって
呼ばれました」
翔「ありがとうございます。お耳行こうね」
看護師さんにおんぶのまま行きたいから、
点滴台をお願いする。
背中でもぞもぞしているけど、『大丈夫だよ、
いつもの先生』って声をかける。
あっという間に耳鼻科へ到着。
声をかけると、そのまま診察室へどうぞと案内される。
翔「失礼します」
医「は〜い、おはようございます、さとくん、
大丈夫？座ろうね」
おんぶからおりて、コアラ抱っこ。
翔「高熱が出て入院したんですけど、検査も異常なくて、
昨日の夜に髄液検査もして、それも異常なくて。
特に、耳を痛がるとかはないんですけど・・・」
医「翔先生、学会出張だったんでしょ？
熱は下がってきた？」
翔「そうです、学会で。熱は下がってきました。
入院中なのに機嫌もいいんです」
医「わかりました(笑)さ・と・く・ん、
お耳みるよ」
翔「おねがい・・・」智「いやらよぅ」
翔「よしよし、いやだね〜」
医「検査、たくさんがんばったもんね、
ごめんなぁ〜
そうだ、『これどうぞ』」
魚のキラキラしたシールを渡してくれた。
医「シール持っててね、はい、右のお耳ね」
智「ふぇ、やら」
医「はんた〜い」
智「むぅ〜」
医「お利口さんだね〜翔先生がいなくて
さみしかったの？
お鼻、診ま〜す、前向いて」
翔「お鼻診てもらおうね」
前を向かせてシールを見せながら、軽く手を固定。
頭は看護師さんが固定してくれる。
智「うう〜ん」
医「すこしだけ、鼻水吸っとこう、が・ま・ん」
智「いちゃい」泣き出す寸前。
翔「がんばれ、泣いちゃったら、鼻水出て終わらないよ」
医「やっぱり、お兄ちゃんは強いなあ〜
最後、お口、あ〜ん」
条件反射でお口を開けて診てもらった。
医「耳はきれいだよ、のども大丈夫。
鼻が少しだけ鼻炎だね、
でも、高熱の原因になるようなことはないね、
アレルギー鼻炎だと思う。
アレルギーの検査したことある？」
翔「ありがとうございます、検査したことないです」
医「採血するときに一緒にアレルギー検査してくれる？
何回もするのはかわいそうだから」
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2021年2月23日 21時
