ぼくたち (ページ9)

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おみみ、おはな　泣　1 ページ9

空side
「もうすこししたら、クリニックへ行って丸山先生に診てもらおうな」って大地くんに言われた。
自分では、どうもないのに泣。

丸山side
久々に空くんの診察をお願いされた。もう、高校２年だって。早いね。でも、診察の時は大きい赤ちゃんになるって、看護師の山口さんがこっそり教えてくれた。
こないだは、浣腸で号泣したって。
小さい頃から診てるけど、いつも結果、最後まで頑張ってくれる。今日は、スムーズに進んで後は、空くんだけ。時間はたっぷり確保出来た。
そろそろ、来るかなと覗きに出ると大地くんにぴったりくっついてやって来た。

「久しぶり。身長伸びたね」って声をかける。ぴったりくっついたまま、「こんにちは、身長伸びたよ」ってうわ目遣いで俺を見る。

そのまま、診察室へ入ってと言うと、「違う、先にあっちだもん」ってジュースの自販機へ行こうと必死。
たしかに、いつもは、診察前に自販機でジュース買ってそれを持って診察を頑張ってもらっていた。
大地くんが、「先生に自分で聞いてみたら？」って小声でアドバイスしてる。
俺が診察すら側の時は、俺のやり方に任せてくれる、大地くん。

「ねぇ、先にあっち」って言ってきた空くん。俺は、「うん、今日は先に診察してから」とはっきり伝える。
「なんで？？」と不満顔だけど、そろそろ、みんな同じ順番で診察してみてもいいかなと俺の挑戦。

普通の椅子に座って、まずは問診。
「耳と鼻、痛みとかある？」「全然ないのに、面談で先生がよく触ってるって、大地くんに言った」って答えてくれた。
大地くんが横で笑いをこらえる。どうもないとアピール。
大地くんのシャツの裾をしっかり握ってるから、かわいい。

「そっか。診てみような。1人で座る？一緒に座ってもらう？」って確認。
「一緒がいい」って答えてくれた。

空side
耳鼻科用の椅子に大地くんと一緒に座る。先生は、どっちにするか決めさせてくれる。
大地くんの足で、俺の足を挟まれ手も一緒に握られる。
先生が、「喉から診せて、アーン」って言うと看護師の山口さんが、俺の頭を軽く支えてきた。
「次、お鼻ねぇ」って先生。「嫌だ、怖いよ」って言うけどやめてくれない。
鼻を広げられて、痛みはないけど怖くて涙目に。
「次、おみみねぇ」って山口さんが、先生の方へ耳を向ける。
先生のペースにのせられて、ひととおり終わった。
終わって、ジュース買いに行きたい。