ぼくたち (ページ3)

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クリニック1 ページ3

大地side
朝、空くんには、「いつもの同じ」って説明したけど、ポッコリお腹は、どうにかしないとダメだ。

桜ちゃんとどうしようかと相談してたら、クリニックの扉が開いて空くんが「ただいま」って入って来た。もう、目が潤んでいる。
俺は、あえて医師として「座ってね。もしもしするよ」って空くんに言う。家でも、体調チェックしてるけど、クリニックへも来て練習中。いつか、違う医師に診てもらう事になった時、少しでも慣れておいた方がいいから。

だから、桜ちゃんか俺が、診察して看護師の山口さんに補助してもらうようにしている。
診察しなかった方は、どんなに泣いちゃて、たとえ暴れても褒めてあげる担当。

「空くん、久しぶりね」って山口さんが言う。
「俺、嫌なのに大地くんが、来なさいって言うから」と山口さんを見上げる。
「そう、大地先生に言われたから、頑張って来たのね」と空の気持ちによりそってくれる。

「じゃあ、始めるよ」
俺が言うと、「山口さん、いてね」と念を押す空くん。
「もちろん」と言う山口さんの一言で、やっと診察開始。
グズグズしながら、朝より頑張ってた空くん。
「お腹のもしもしな、ベット寝よう」って言うと、ついに、号泣。
「大地くん、おしまいがいい。おしまいにする」と診察室から逃げ出そうとする。

山口さんに引き留められ、座り込んで号泣し続ける、空。
やっぱり、自分でもわかってるだ。ポッコリお腹。
「空くん、今日とても頑張ってたのに、お腹はダメなの？」って山口さんが聞く。
「お腹、元気だからもしもししない」と空。山口さんは、「元気なら、大地先生に診てもらってスッキリおしまいにしよう」と言う。更に泣き出す空を見て、どうしようかと悩む俺。

山口さんが、空に「空くん、大地先生に伝えたいことない？」
空は、しばらく号泣していたけど、そっと見守る。空は、座り込んだまま、「大地くん来て」と俺を呼ぶ。
そして、しゃくり上げながら「お腹気持ち悪い。嫌だ」と伝えて来た。

「もしもしさせてくれる？」と確認すると、「うん」とうなずいた。
いざ、始めると「痛い、おしまい、やだ」と触ってなくても、大騒ぎ。

処置できるかな。俺が心配。